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ブックマーク / www.megamouth.info (13)

  • パラノイアのプログラマと第6感 - megamouthの葬列

    今だから白状すると、昔、運営していたサービスの一般ユーザーのパスワードをハッシュ化(暗号化)せずに平文でDBに保存していたことがある。 言いわけは、幾つかある。 一つは、今では当たり前のようについているパスワードリマインダーの仕組みが当時は一般的ではなかったこと。 ユーザーがパスワードを忘れた、と問い合わせしてきた時に、最も自然な方法はまさに当人が設定した「パスワード」を一言一句違わず登録メールアドレスに送信することだった。あなたのパスワードは○○○です。ああそうそう、そうだったね。こういう感じだ。 当時のユーザーはそれを不審がらなかった。 またサポートコストの問題があった、パスワードの再発行を、そのためのトークンを含んだ長いURLを、大半のユーザーが嫌がっていた。 サポート部門はOutlookExpressに表示された長すぎるURLのリンクが途中で切れててクリックできない、という苦情にい

    パラノイアのプログラマと第6感 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2020/09/16
    徳丸センセが続きを小説を書いてくれると盛り上がりそう
  • ソリティアおじさん - megamouthの葬列

    中年になったのでソリティアおじさんになりたい、と思った。西日差す窓際で、Windowsに入っているソリティアというゲームを日がな一日やり続けて、給料を貰っているおじさんにである。 ソリティアおじさんは伝説の存在だ。私も実は、目にした事はない。主に大企業にいたらしいので、就職活動すらしなかった私には縁遠い存在なのだ。 私が実際に見たことのある一番ヤベえおじさんは、CASIOの電卓を超高速で叩きながら、その計算結果を一つ一つ手入力するExcel手入力おじさんだった。 おじさんのExcelには数式がない。全てはおじさんがテンキーを叩いて入力したものだからだ。 一つセルを打ち間違えたり、後で訂正が入ったりすると、当然合計値を入れるセルの数値も変わってしまう。それを、おじさんは(Windows付属の電卓アプリではなく)CASIOの電卓を叩いて計算し、LCDが表示した内容をパソコンのテンキーで写し取っ

    ソリティアおじさん - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2020/08/04
    ソリティアおじさん実在したよ。時々仕事もしてたっぽいけど。
  • 貧乏なおじさんへのささやかな贈り物 - megamouthの葬列

    ネットバブル前夜、ホリエモンの会社がまだオン・ザ・エッジと呼ばれていた頃、パイナップルカンパニーというWeb制作会社が神戸にあって、社長のおじさんは、ナウいホームページを作ることにかけては関西随一と呼ばれていたその会社に見積もりを依頼したらしいんだけど、イキリにイキリきった営業に、当社は1000万円以下の仕事は請けないんですよ、と半笑いで門前払いされたことをずっとずっと根に持っていた。 おじさんと酒を飲むたび、何度もその話を聞かされるから、パイナップルカンパニーが2002年に倒産して、オーナー社長が行方不明になって、今や神田敏晶の出身企業と説明されるまでに忘れられた、というオチを、僕は何も見ずに書けてしまうほどだけど、きっと、おじさんがこの話で伝えたかったことは、貧乏な顧客を無下にして、高飛車な態度をとっていたら、いつかは商売が立ち行かなくなるんやで、ということなのだ。当のところはわから

    貧乏なおじさんへのささやかな贈り物 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2019/08/10
    もうすぐ、2019年の夏が来る。やあLarry。Perl6の調子はどうだい?
  • 僕らのSIerワンダーランド - megamouthの葬列

    この業界に入る前、私はいわゆる電電ファミリーと呼ばれるNEC富士通、OKI、日立のような巨大ベンダーには、さぞかしハイレベルな開発体制があって、マネージャーから一兵卒に至るまで中小零細とは全く異なる頭の良い人たちが、日夜世界を相手にしのぎを削っているのだ、と信じ込んでいた。 私がそれらの会社と最初に関わりを持ったのは、00年代のはじめ頃、しがない零細Web屋でサラリーマンをしていた時分で、平凡でつまらない業務系Webシステムのエンドクライアントが件の巨大ベンダーだった。 弊社は4次請けぐらいの位置にいて、商流の間に何も作れないグループ会社や代理店が幾つも挟まっている。発注元の巨大ベンダーはさぞかし大枚をはたいていることだろう、と素朴に思った私は社長に尋ねた。 「天下の○社さんなら、こんなシステム簡単に内製できそうですけど。外注するものなんですね?」 少し首を傾げて社長は、屋というこ

    僕らのSIerワンダーランド - megamouthの葬列
  • 終わりの季節 - megamouthの葬列

    職場を戦場に例えるのは良い趣味とは言えないが、この会社では的外れではないように思う。 ここではいつも、納期だけが決められた曖昧な仕事がやって来たかと思うと、最後の1ヶ月で決められた仕様や、営業の怒号が、哀願が、テスト不合格の結果や、クライアントから直接送られて来た緊急のメールが、就寝中に鳴り響く着信音が、かつてはエンニジアと呼ばれていた人々の精神を、迫撃砲のように吹き飛ばしてしまうからだ。 誰かが死んだ時は大抵、指揮官であるマネージャーが、朝礼で皆を激励することになっている。 例えば売り上げが去年のそれを上回りそうだ、などと、あたかも会社が順調に進んでいて、ボーナスが奮発されるかのような期待を社員に抱かせようと試みる。 もちろん聞いている方は、白けきっている。 その意図があまりにも見え透いているので、マネージャーが自分たちを見くびっているというよりも、彼にほんの少し残った良心が、ほとんどあ

    終わりの季節 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2018/05/18
  • 経営者についてのとりとめのない回想 - megamouthの葬列

    経営者の物語を書きたいと思った。 「取材」をしようと思い、経営者の書いたと、経営者を主人公にした小説を幾つか図書館で借りてきて読んだ。 私はそこに孤独が書かれていると思っていた。 出資を受け、または個人保証で金を借りてハイリスクな勝負を挑む、冷徹な勝負師の過信と不安のせめぎあいの末の苦悩があると思っていた。 だが、どこにもそんなものはなかった。 書いてあったのは、単に運の良いバカの物語だった。 あるいは、イベサーの主催者だった学生時代のノリで、何の根拠もなく金を借りまくって、前を見ないで疾走する犬が木にぶつかって転倒するぐらい自然に事業に失敗する物語だった。 元銀行員が書いたという触れ込みの小説に至っては、主人公を経営者にしただけの安っぽい時代劇だった。 なぜ「孤独」や「勝負」が書かれていないのだろうか、何らかの事情で書いてはいけない事になっているのかもしれない。あるいは借りてきたが悪

    経営者についてのとりとめのない回想 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2017/09/27
    はてなが、tDiaryをパクって、Perlではてなダイアリーを作った頃 // へーそうだったのか // 小説も好きだよ
  • プログラマが「出来ません」と言う日 - megamouthの葬列

    長い間、フリーランスなどという「便利屋」をこなしていると、馴染みの顧客から、トラブったプロジェクトに急遽参画してほしいという、ヘルプ案件が入ってきたりする。 嫌かと言われるとそうでもなく、むしろ、恩を着せて(足元を見るとも言う)高単価を取るチャンスだし、案件が燃え上がっているのは他人のせいであり、途中から入る私は気楽なものなので、積極的に首をつっこむことにしている。 こう言うと颯爽と現れるスーパーマンのようでかっこいいのだが、そこはクソ雑魚フリーランスの私。トラブルの内容というのは、「安いWordpress業者に頼んだ案件で、途中で、(カスタマイズ要件)がやっぱり出来ないと言われた」とか「アプリが毎回メモリリークで5分で落ちるのだが、全く治る気配がない」とかそういう情けない話ばかりである。 共通して言えるのは、炎上させた業者が「(問題を解決することが)出来ません」とはっきり言ってしまってい

    プログラマが「出来ません」と言う日 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2017/09/04
    「最近は起きながら寝言が言えるんだな(Webの仕様上出来ません)」 // これ心の声出てるで
  • プログラマをクソコードで殴り続けると死ぬ - megamouthの葬列

    ここにクソコードがある。 誰が作ったかはわからぬ。それが、どのような経緯でクソコードとなったのか、 あるいは、最初からクソコードであったのか、それらは全てクソコード自身が知るのみである。 ファーストコンタクト ある日、営業からシステム案件を打診されたので見積もりして欲しい。というメールが来る。 とある企業の既存システムに機能を追加する簡単な案件ですが、なななんとソースや仕様書をご支給いただけます! と、それはサンタにプレゼントが貰えると信じて疑わぬ子供のような真っ直ぐなメールである。 ソースコードが入った圧縮ファイルを受け取ったプログラマは、早速、コードを読んでみる。 そのシステムが当にいいコードで書かれているかを判断するには時間がかかるが、 クソコードであるかはおおよそ30分でわかる。 インデントがタブとスペースどちらかに統一されていないとか、フレームワークの誤用があるとか、またはフレ

    プログラマをクソコードで殴り続けると死ぬ - megamouthの葬列
  • ディス オールド マン - megamouthの葬列

    1 夜の街に降るはずだった雨は、この寒さで雪になってしまったようだった。 人材エージェント会社の営業を待っていた関口は、折りたたみ傘をさしていたが、風に巻き上げられた粉雪のいくつかは、彼の野暮ったいコートに吹き込んでしまう。 地下鉄の入り口から息せき切って営業の男がやってきた。時間ギリギリだ。 「急ぎましょう」 遅くなったのは自分のせいなのだが、彼は高そうな時計を一瞥すると早足に歩きだした。 「お電話でも言いましたが、どうも、難しいお客さんのようですから。関口さんも気をつけてください」 クライアントのオフィスに向かう道すがら、息を弾ませながら営業は言った。 どう気をつけろと言うんだ。関口は心の中で溜息をついた。 年度末の繁忙期に入ろうとしている中、大抵のエンジニアはすでに現場にアサインされていて、あぶれているのは自分のような40代以上のエンジニアなどの「訳あり」物件だけだ。 関口としては、

    ディス オールド マン - megamouthの葬列
  • スタープログラマの幻影 - megamouthの葬列

    最近久々に「スタープログラマ」という言葉を聞いた。 そういえば、私の中にもかつてそういう存在がいたなあ、と思い出した。 あえて定義することもないが、スタープログラマとは、先進的なOSSプロダクツを実装し、ブログなどでプログラミングを堂々と論じ、できれば単著の一つも書いているような人たちといったところである。 話の都合上、具体的な名前を出すが、高林哲氏、higepon氏、新山祐介氏などが、私にとってのスタープログラマであったし、少し時代を戻すとεπιστημη氏であるとか、賛否両論だとは思うが、やねうらお氏などの名前が挙げられるかもしれない。 スタープログラマというのは、駆け出しのプログラマやプログラム学習者にとっての目標であり、先輩であり、嫉妬の対象でもある。 彼らの言葉は絶対で、疑う余地もないことであり、私はそのプログラミングに対する思想を無条件に受け入れたし、彼らが使っているエディタや

    スタープログラマの幻影 - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2017/03/22
    みんなそれぞれスタープログラマってのがいるだろうなぁ。いろんな人の話を聞いてみたい。 // jasracひどい
  • プログラマの奇妙な待遇 - megamouthの葬列

    クソ雑魚フリーWebエンジニアである私は、求人サイトが見るのが好きである。 自分のスキルや経験を登録しておくと、中年の私にさえスカウトオファーが来るし、そこで提示される最高年収を見てほくそ笑んだり、たちの悪そうな人買い企業がユーザー企業に常駐させるプログラマをかき集めようとあの手この手で自社の魅力を訴えてくるのは微笑ましい。 昔は冷やかしで面接にまで行ったりしたものだが、よほどの好条件が提示されない限り就職する気はないので、最近はさすがに自重している。 そういう悪趣味を通して知ったことだが、プログラマの募集要項において以下のような記載が増えてきている。 2台以上のディスプレイ支給 ハイスペックPC使用可 開発はGitHubCircleCIなどの最新の開発環境を用意 バランスボールに座って仕事しています! などである。 しかしこれは奇妙なことに思える。 バランスボールはともかくとして、プロ

    プログラマの奇妙な待遇 - megamouthの葬列
  • 消えたプログラマの残したものは - megamouthの葬列

    システム開発の佳境に、開発メンバーが突然出社しなくなってしまう。 携帯にも連絡がつかず、3日ほど音信不通になったので、さすがに心配になった上司が大家と共に自宅を訪れると、夕日が差し込む部屋の真ん中に、当の人が何の表情も浮かべずにただ座っていたりする。 そういう事は大して珍しいことではないので、ある程度経験のあるIT業界人なら、同僚が「消えて」しまってもそれほど驚くことはない。 プログラマというのは、とかく「消えて」しまうものなのだ。と彼らは思っている。 「消えた」プログラマは、意識的にしろ無自覚にしろ自分の人生をちょっとばかり台無しにしながら、プロジェクトに虚無の穴を空けるわけだが、そうした「工程の穴」は他のメンバーが残業したり、派遣会社から来た代替の人員が埋めてしまったりする。ビジネス的には人月で数えられた我々の「数字」などというものはちょっとした帳尻あわせでなんとかなってしまうらしい

    消えたプログラマの残したものは - megamouthの葬列
    rochefort
    rochefort 2017/01/11
    のへんの事情に足を突っ込んでも報酬が上がるわけではなかったので // そう下手に突っ込んではならない
  • ソースでわかるSixapart転落の歴史 - メガマウスの日記、自壊あるいは無差別テロに至る道筋

    【重要発表】 シックス・アパートは2月1日に、新しい体制に生まれ変わります! http://www.sixapart.jp/news/2011/01/21-1700.html 早い話が身売りである。WordPressなどの競合を排して独自に日市場を切り開く体力も技術的優位もないのがはっきりしたということだろう。 日におけるSixapartと僕らの愛すべきMovableTypeの命運が絶たれたことを記念して少しばかり回想をしよう。 00年代の前半。MovableType2.2が「ブログ」という聞き慣れない言葉とともに日にそれとなく入ってきたとき、当時駆け出しだった私はもちろん、日のWeb業界でMovableTypeに度肝を抜かれなかったものはいなかったと思う。 垢抜けたインターフェース 洗練されたCSSベースのデザインテーマ トラックバック、RSSといった後にWeb2.0と称される斬

    ソースでわかるSixapart転落の歴史 - メガマウスの日記、自壊あるいは無差別テロに至る道筋
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