賑やかな露天市場で、派手な柄の服を着た女性たちが10種類ほどのバナナ、タロイモのチップス、山盛りに積まれた炎のように赤いチリ・ペッパーが載ったテーブルの後ろに座っている。 ここは、南太平洋に浮かぶ島国バヌアツの首都ポートビラの食料品ショッピングの中心地。地元の人たちが旬の農産物を買いに来る場所だ。小さな岩ほどの大きさのグレープフルーツのような果物が、何十個ものエメラルド色のアボカドの隣に並んでいる。だが、どこにもビニールの買い物袋は見当たらない。この市場にも、南太平洋に浮かぶこの島国中のどこにも、ないのだ。 バヌアツは使い捨てのビニールの買い物袋、飲料用のストロー、そして発泡スチロールの食物用容器をこの7月に禁止した。この国の海岸から海の中に至るゴミの流れを食い止めるための大胆な試みだ。首相のシャーロット・サルワイ氏が企業にも買い物客にも等しく与えた準備期間はほんの数ヶ月で、今では違反者は