映画「「マルタのやさしい刺繍( Die Herbstzeitlose ) 」( 2006年 ) が全国の劇場で空前の大ヒット。2007年の大阪ヨーロッパ映画祭でも上演され、老女たちのパワーをコミカルに描いた映画として話題になった。 主人公のマルタを演じたシュテファニー・グラーザーさんはスイスのエンターテインメントの大女優として70年間活躍している。 ベルン州エメンタール ( Emmental ) のとある村。夫に先立たれたマルタは死を待つばかりの余生を送っていた。ある日マルタは、3人の友だちを連れベルン市の生地屋を訪れる。若い頃ランジェリーを縫っていたマルタは、ふと思う。村にランジェリーショップを作ろうと。牧師の息子をはじめ村人たちにはそっぽを向かれ、いじめにもあうが、老女4人が力を合わせた事業は大成功。全国から注文が殺到したのだった。今年、米寿 ( 88歳 ) を迎える女優グラーザーさん
かつて、ハリウッド映画を筋肉が席巻した時代があった。鍛え上げられた肉体を誇示するスターが人気を博した時代という意味だ。言うまでもなく、それを牽引したのが『ロッキー』(1976)のシルベスター・スタローンと、後を追うように『コナン・ザ・グレート』(1982)でメジャーデビューし、スタローンのライバルに躍り出たアーノルド・シュワルツェネッガーである。 1970年代後半~80年代を席巻した2大スター 2人の筋肉比べは熾烈を極める。『ロッキー』シリーズの2作目までは主に筋肉の増量に努めたスタローンは、『ロッキー3』(1982)からは体脂肪率を落とす作戦に変更する。量より質にこだわれば見た目もついてくるというわけだ。
野蛮さと洗練されたセンスという、一見矛盾した要素を併せ持つスタイルが、観る者たちの心をざわつかせ、類まれな知性と才能でアートフィルム界に、その名を刻んできたヨルゴス・ランティモス監督。『ロブスター』(2015年)、『聖なる鹿殺し』(2017年)、『女王陛下のお気に入り』(2018年)と、その手腕はますます冴えを見せ、名だたる映画賞を次々に獲得している。 そして、ついにヴェネチア国際映画祭の最高賞、金獅子賞に輝いたのが、『哀れなるものたち』である。さらにはゴールデングローブ賞でも複数の受賞を果たし、アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞を含む11部門にノミネートされ、これまで以上の快進撃を見せている。それだけでなく、アメリカでの興行収入も好調で、本作は、もはやランティモス監督を、アートフィルムの枠を超えた存在に押し上げることとなった。 それもそのはずで、本作『哀れなるものたち』には、“
『パピチャ 未来へのランウェイ』 (C)2019 HIGH SEA PRODUCTION - THE INK CONNECTION - TAYDA FILM - SCOPE PICTURES - TRIBUS P FILMS - JOUR2FETE - CREAMINAL - CALESON - CADC カンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され、大きな話題となった映画『パピチャ 未来へのランウェイ』。この度、主人公の家族だんらんのひとときとともに、アルジェリアの伝統布“ハイク”の使い方や存在意義が伝わる本編映像を入手した。 >>『パピチャ 未来へのランウェイ』あらすじ&キャストはこちらから 本作の舞台は1990年代、内戦下のアルジェリア。ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマ(リナ・クードリ)は、親元を離れ大学寮で暮らしており、今回の場面は、ネジュマが実家に戻り母と姉とのつか
6月9日の21時から、「金曜ロードショー」(日本テレビ)でディズニーの実写版「美女と野獣」が放映されます。同作は「ハリー・ポッター」シリーズで人気のエマ・ワトソンが主演し、日本では累計興行収入124億円の大ヒットを記録しました。 実写版「美女と野獣」の予告編 実写版「美女と野獣」についてジェンダー観やダイバーシティの観点から画期的でその達成は認められるべきとしつつ、ある課題を抱えていると論じるのが、英文学者の河野真太郎さんです。河野さんは専修大学国際コミュニケーション学部教授で、『戦う姫、働く少女』(堀之内出版)や『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)などの著書で知られます。果たして、河野さんが評価する同作のポイントと訴える課題とは――。 (文: 河野真太郎 編集:上代瑠偉) アニメーション版「美女と野獣」の画期的さ 「美女と野獣」は、1991年にディズニーがアニメーション映画を製作し、ほぼ
※以下、結末までのネタバレを含みます。 信仰と赦しそのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい」(『新約聖書』「マタイによる福音書」18章21-22節) サラ・ポーリー監督・脚本の映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(Women Talking、2022)は、実際に起こった事件に触発されて作られた。2005年から2009年にかけて、ボリビアのメノナイトが住むコロニーで、女たちが朝目覚めると体に不可解なアザなどがあるという出来事が続発するようになる。メノナイトはプロテスタントに属する再洗礼派と呼ばれる宗派のひとつで、このコロニーにはとくに保守的な宗派の信徒が住んでいた。しばらくは悪魔の仕業ではないかなどと言われていたが、実
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