真似することはできない「描き続けた蓄積」。江口寿史インタビュー漫画家として、イラストレーターとして、40年以上第一線で活躍してきた江口寿史。絵を描く際のこだわりや現代美術に対する言及など、その創作への思いを聞いた。 文=安原真広(ウェブ版「美術手帖」編集部) 写真=手塚なつめ 江口寿史、「東京彼女」(2023年3月14日〜4月23日、東京ミッドタウン日比谷 BASE Q HALL)会場にて ──江口さんは漫画家/イラストレーターとして、1977年のデビュー以来、多岐にわたる仕事を手がけてきました。近年は金沢21世紀美術館で開催された「江口寿史イラストレーション展『彼女』」(2018)を皮切りに、全国で展覧会を開催されてきました。こうした展覧会という形態で自身の作品を見せる、ということは江口さんにとってどのような試みなのでしょうか。 イラストを集めて画集を作ることと、展覧会で見せることでは、