このノートは私がまだ学生時代になかば趣味でこつこつと作っていたノートである。手のひらサイズで、全部びっしりと書き込んだものが3冊ある。 私は医療系学生だったから、中身は基礎医学なのだけれど、このノートを作ると覚えることができて、なんとかなったので重宝した。 これを同級生とか友達に見せると「これすごいな!」「まじめ!」とか言われたりしたが、自分の性質が客観的にまだよくわかっていなかったから、私は自分のことをまじめだとはほとんど思っていなかった。 ■ 私の母は発達障害者ではなく、またこだわりが強い人でもなく、家事も料理もかなり適当な人である。だから、私は子供の頃に着させられる服が、生乾きでクサイことに大変なストレスを感じていた。後から思えばこれは自分が持つ「感覚過敏」の特性であって、当時の私は、なぜ生乾きの匂いを気にしない人がいるのかがまったく理解できなかった。そのくらい、生乾きの匂いは不快だ