あなたが通った学校の教室を思い浮かべています。 あなたは3年生、その学校の最上級生です。 正面に黒板があり、その上にクラス目標を大きく書き出した掲示物があり、右には時間割表、左側には体育大会や合唱コンクールで入賞したときの賞状が飾られています。 そして、黒板の右端には今日の日付が誰かの字で書かれており、その下に日めくりにしたカードが掲示してあります。 朝一番に登校してきた誰かがそのカードを1枚めくります。 カード1枚1枚に数字が逆順に書かれています。 毎日カウントダウンを続けるその数字は、あと何日学校に通うかという日数を表しています。 その数字がいよいよ一桁になってくる時期が近づいてきました。 最終期限が目前に迫らないと見えてこないものが私たちの日常にはいくらでもあります。 一週間後、三日後、明日まで……、と、残された時間を限られて初めてスイッチが入る、という経験はきっと誰にもあることでし