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(この話に登場する人物にモデルはいますが、仮名を使うなどご本人とわからないように詳細は変えて書いています) 医師は誰しも過去に苦々しい経験をしています。もちろん私にも、どうしても忘れられない出来事があります。 それは、外科医のように上手くいかなかった手術や、内科医のように病気を見過ごしてしまった出来事ではありません。以前働いていたホスピスで、患者の死に加担してしまったのかもしれないという疑念を、今もずっと振り払えないでいるのです。 ホスピスに入院してきた末期がんの患者ホスピスでは毎日のように末期のがん患者が亡くなっていきます。医師である私は、患者が苦痛なく最期の日が迎えられるように、できる限りの治療をしてきました。 「緩和ケアは死を早めたり、引き延ばしたりしない」ように治療、ケアにあたるのが、ホスピスで働く上で大切なことでした。無理な延命治療で、患者の苦痛を長引かせてはなりません。また反対
2015年の春、母がアルツハイマー病を発症したという事実は、徐々に母の親戚や交友関係に広がっていった。経路は主に電話だった。 この時期、母はまだ電話の応対ができたが、それでも「様子がおかしい」と気が付く人もいる。そんな人は、私が電話に出ると「最近どうなさったのでしょうか」と聞いてくる。 それとは別に「このところ水泳に来ていませんがどうなさいましたか」「もうずいぶんとコーラスのサークルにいらっしゃっていませんけれど、具合でも悪いのでしょうか」といった電話もある。最初のうちは、適当にごまかしていたが、やがてごまかすわけにはいかなくなった。 「実は認知症を発症しまして……」 と説明すると、大抵は息を呑み、「お大事になさってください」という言葉と共に電話を終えることになる。中にはお見舞いを送ってきてくれる人もある。それは大変ありがたいことなのだが、どうにも対応に困るものもあった。 「これを飲んでみ
突然の家族の死。何をしたら良いのかわからずに、戸惑ってしまいますよね。 私も以前、母を亡くしたときに、どうしていいのか全くわかりませんでした。 やることが多すぎて想像以上に忙しい上に、さらには相続で家族ともめてしまったり、葬儀屋さんの費用がとても高かったりと後悔しました。 このページでは、そのときの経験を活かして、家族の死亡に伴う手続きと、亡くなる前にやっておくべきことを以下の順序に沿って、ご紹介します。 亡くなる前にやっておくべき4つのポイント亡くなってからの手続き葬儀後の手続き最近は病院で最期を迎える方がほとんどなようですが、家族の死に直面した方、または亡くなりそうな家族がいる方に向けて、お役に立てれば幸いです。 1. 亡くなる前にやっておくべき4つのこと 寿命が近そうな状況や病気などで余命宣告をされ、家族が亡くなる事が事前に分かっている方は、まず、この章を参考にしてください。 大切な
先日、僕の世帯に入っていた祖母が亡くなりました。 父の時に一度色々と経験はしましたが、改めて今回祖母が亡くなった事で家族が亡くなった時にする事を経験したので、未経験の人が参考になるように残しておきたいと思います。 ちょっと不謹慎かな?とも思いましたが、同じように家族が亡くなった方、亡くなりそうな方に向けて、少しでも役に立てば幸いです。 親が亡くなった時はパニックに陥りがちなので、誰か冷静に見れる人が参考にすると良いと思います。 また親が亡くなった際の遺産相続はもちろんですが、残った不動産・車・遺品などの整理についてのテクニックも追記しておきました。 ちょっといやらしいお金の話になりますが、それでも「人が亡くなったらお金が動く」ものなので…少しでも賢くお金を残す事をオススメします。 何も知らないとここでかなりの金額で損をする可能性があるので注意です。 スポンサードリンク 亡くなる前の準備まず
尊厳死について…多くの死を見てきた医療従事者たちのコメントが心を打つと反響 アメリカで脳の末期ガン患者ブリタニー・メイナードさん(29歳)が尊厳死を予告し、自ら命を絶ったニュースに対し、世界中で議論されています。(参照:米 末期がんの女性が安楽死を選択) そう簡単に答えが出る問題ではありませんが、間近で死と向き合っている医療従事者たちは、どう考えているのでしょうか。 海外掲示板に寄せられた、海外の医療や医学に携わる人々の意見をご紹介します。 Photo:The Brittany Maynard Fund ●がんセンターの集中治療室で働いています。 がんを奇跡的に克服したケースや、胸が張り裂けるような最期を多すぎるほど見てきました。そして自分は誰もが「自分の最期のとき」を決める権利があると強く信じています。 まだ若い家族が、命の質をとるか、長さをとるかで苦闘する姿も見てきました。 心に強く残
先週のクローズアップ現代「墓が捨てられる」(参照)が興味深かった。文字どおり、墓が捨てられていく現代日本の状況を描いていた。墓が誰の所有かわからなくなれば、捨てるしかない。 目につくのは、捨てられる膨大な墓石である。番組冒頭では、淡路島に不法投棄された1500トンもの墓石の山が映し出された。 その投棄される墓石には合わせていなかったが、少なからぬ遺骨もまた捨てられているように思えた。 墓石自体は岩石なので砕けば道路工事用の砂利として再利用できる。その費用は1トン5000円から1万円ということで、コストの都合から淡路島に不当投機されたらしい。 映像を見ながら、行政で罰則規定と墓石再利用に補助金を付ければ、なんとかなるだろうなと私はぼんやり見ていた。しかし、ゴミ投棄やゴミの再利用のような話ではないなとも思っていた。墓そのものを維持することが難しくなった現代が背景にあり、そこに問題の根もある。
ツイッターをしていたら「健康寿命」について知らない人がいた。この話は自著にも書いたのになあと思ったが、だからみなさんが知っているというわけはないよな、当然。 「健康寿命」にはそれなりに定義はあるが、ざっくり言って健康に生きていられるまでの年齢というような考えである。いわゆる平均寿命より10年くらい短い。男性だとだいたい70歳くらいまで。 自分も気がつくとけっこう年を取ってしまったので、まあ普通に生活できたとしても、不自由なく動けるのはあと12年といったところ。個人的にやだなあと思うのは、そのくらいまで生きていても、文字の読み書きがまともにできなくなるんだろうな、というあたり。失明はするだろうなあ。 ちなみに平成22年時点の日本人の健康寿命はこんな感じ。厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」より。 最新の統計だったかなと、先日発表された2
国や地域や宗教によって、さまざまなかたちを取るお葬式。日本では仏教形式で行われることが多い。これまで私が参列した葬儀は9割方、仏式だった。あとはキリスト教。亡き伯父と伯母がクリスチャンだったからだが、では仏式で弔われた人々は皆仏教徒だったのかと言えば、おそらくそうではないだろう。 年輩者で定期的にお寺参りに行ったりお坊さんの説教を聞きに行ったりする人はいたかもしれないし、そこまでではない人もお盆で先祖の墓参りくらいはしたかもしれない。しかしほとんどの人は、「うちは◯◯宗らしいな」くらいのことはわかっていても、仏教とは無縁の生活を送っていたと思う。多くの人の日常において、特定の宗教の匂いは薄い。 だからいざ身内が死んで通夜だ葬儀だとなると、まず何をどうしていいかまごつくことがある。伊丹十三の映画『お葬式』では、遺族がビデオで仏式葬儀のあらましを学習するシーンがあった。他人の葬儀で何となく勝手
2014年1月31日に大好きだった祖母が亡くなった。 祖母は100歳という高齢で、しかも昨年12月にも一度倒れて救急搬送され3週間ほど入院していた。 だから、そう遠くない将来に「その時」が来るだろうという覚悟はできているつもりだった。 しかし、昨年末に病院を退院したあとの祖母は元気だった。 お正月に新年会で実家に行ったときも、食欲も旺盛だったし知的好奇心も衰えず、本や雑誌をどんどん読んでいた。 だから、「まだしばらくは大丈夫」と安心していたのだが、現実は甘くなかった。 水曜日にかかってきた母からの電話で、僕の楽観的な予測は崩れ去ることになった。 ヘルパーさんに介助してもらって入浴している最中に祖母は意識を失い、そのまま救急車で大学病院に搬送されたのだ。 医師の診断は「心タンポナーデ」という重い心臓疾患。 動脈硬化から大動脈解離を起こしかけている状態で、担当医師には「手術しなければ48時間程
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