正規表現ではパターンが対象の文字列とマッチするかどうかをチェックしますが、先読みや後読みでは文字列とマッチするかどうかは調べるけれどマッチした文字列としては取得しません。先読みと後読みでは利用方法に応じて、肯定先読み、否定先読み、肯定後読み、否定後読み、の 4 種類が利用できます。ここでは正規表現における先読みと後読みを使ったパターンの利用方法について解説します。
正規表現の「先読み(lookahead)」「後読み(lookbehind)」について紹介します。 正規表現の「位置へのマッチ」 正規表現は、文字列のパターンマッチに使われます。たとえば [0-9]{4} は数字4つが並ぶ文字列にマッチする表現です。 多くの正規表現は「文字列」にマッチしますが、「文字列」ではなく「位置」にマッチする表現があります。これは、アンカーと呼ばれます。また、長さ0の文字列にマッチすると考えて、ゼロ幅アサーションとも呼ばれます。 アンカーの例として、^(先頭)$(末尾)\b(単語の境界)などがあります。 この例では、cat にはマッチします。一方、category や concat は cat を含みますが前後が単語の境界になっていないためマッチしません。 先読み 先読み(lookahead)は、位置にマッチする記法の一種です。位置の指定に正規表現を使います。(?=
正規表現を書く際、どのようなパターンにマッチさせるか、どこをキャプチャするかという視点で記述することはあっても、パフォーマンスを考えて記述するというのはある程度知っている人でなければ忘れがちな視点です。 このエントリでは、バックトラックをメインに正規表現がパフォーマンスに及ぼす挙動について見ていきます。 対象の正規表現エンジン ここでは、従来型 NFA を対象としています。具体的には、PHP の preg_ 関数で利用している PCRE や mb_ereg 関数が利用している鬼車です。Perl や Ruby、Python、Java、.NET でも従来型 NFA を採用しているので、似た挙動となるでしょう。 「従来型 NFA」や「バックトラック」などの用語については、「詳説 正規表現 第3版」のものを用いています。 バックトラックによるマッチ探査 正規表現エンジンでは、指定された文字列が、パ
(Last Updated On: 2018年8月13日)前のエントリでStackExchangeがReDoSで攻撃されサイトがダウンした問題を紹介しました。少しだけ掘り下げて見たところ、正規表現だけでメールアドレスをチェックしている場合、壊滅的なReDoS(十分短い文字列で指数関数的に実行時間が増加する)が可能なことが判りました。 結論を書くと、正規表現でのメールアドレスチェックは見直すべき、です。(特にRubyユーザー) 追記:影響範囲はメールアドレスチェックに限らないので、正規表現チェックは全体的に見直さないと、どこが脆弱なのか判りません。見直してチェックしたとしても、それが完全であったと保証することは困難です。ネット検索して直ぐに見つかった検索パターンは非常に脆弱であったこと、メールアドレスのマッチパターンは脆弱になりやすい繰り返しの繰り返しが含まれること、これらがあったのでタイト
rex = /ごにょごにょ/ p "東京都文京区後楽1丁目3−61".match(rex).captures #=> ["東京都", "文京区", "後楽1丁目3−61"] みたいなやつ。なるべく短く。 実用性? そんなもの、うちにはないよ。 TL;DR 「読むのめんどくさい」という人用に最初に最終結果を置いておきます (...??[都道府県])((?:旭川|伊達|石狩|盛岡|奥州|田村|南相馬|那須塩原|東村山|武蔵村山|羽村|十日町|上越|富山|野々市|大町|蒲郡|四日市|姫路|大和郡山|廿日市|下松|岩国|田川|大村)市|.+?郡(?:玉村|大町|.+?)[町村]|.+?市.+?区|.+?[市区町村])(.+) あまり厳密ではないのでちゃんとしたとこでは使わないほうがいいです 住所データを用意する 郵便局からデータをダウンロードしておく。一ヶ月毎に更新されている。 → 郵便番号データ
はじめに 「英数記号あり(大文字小文字の区別なし)で、かつ8文字以上」の正規表現 の内容と重複しますが、言語ごとに最適化したものもまとめておきます。但しあまり知らない言語もあるので、誤りなどありましたら指摘お願いします。 留意した点 行 JavaScriptでは、マルチラインモードを指定しない限り ^ $ がそれぞれ先頭と末尾を表す。\A \z はそもそも存在しない。 Rubyでは、デフォルトでマルチラインモードなので、^ $ はそれぞれ行頭と行末にマッチしてしまう。これでは正規表現が意味を為さないので、先頭と末尾にマッチする \A \z を使用する。 PHPではRubyほど深刻ではないが、$ が末尾または改行からの末尾にマッチしてしまうので、改行を含まない \z を使用する。 RubyやPHPの \z は、Pythonにおいては \Z に相当する。 パターン修飾子 JavaScriptや
ある正規表現に対して、特定の文字列がマッチするかどうかをチェックするツールやサイトは沢山ありますが、正規表現そのものが何を意味しているのか、どんな文字列を期待しているのかを解析・解読・説明してくれるツールやサイトってなかなか見ない気がします。 他人の書いた正規表現を見て、「ん?」ってなったことはありませんか? 例えばこれ。 1 ^[a-zA-Z0-9-_.]@([a-zA-Z0-9_-]+\.)+[a-zA-Z]{2,4}$ これくらいなら分かりますが、複雑になってくるとつらい… いつかはマスターしたいけど…今は楽したい。 そう思ってググってみると…ありました! それがこちら。 Regexper http://www.regexper.com/ 正規表現を入力して Display をクリックすると、その正規表現が表す内容を図にして表示してくれます。 例えば先程の正規表現は、当記事の一番上の
正規表現によるバリデーション等で、完全一致を示す目的で ^ と $ を用いる方法が一般的ですが、正しくは \A と \z を用いる必要があります。Rubyの場合 ^ と $ を使って完全一致のバリデーションを行うと脆弱性が入りやすいワナとなります。PerlやPHPの場合は、Ruby程ではありませんが不具合が生じるので \A と \z を使うようにしましょう。 はじめに 大垣さんのブログエントリ「PHPer向け、Ruby/Railsの落とし穴」には、Rubyの落とし穴として、完全一致検索の指定として、正規表現の ^ と $ を指定する例が、Ruby on Rails Security Guideからの引用として紹介されています。以下の正規表現は、XSS対策として、httpスキームあるいはhttpsスキームのURLのみを許可する正規表現のつもりです。 /^https?:\/\/[^\n]+$/
できるだけ正確な記述を目指していますが、誤りがありましたら、お知らせ願います。 (最終更新: 2013/3/29 11:22) 正規表現の種類 まず、PHP には以下の 3種類の正規表現があります。 Perl 互換の正規表現 (pcre) mbstring の正規表現 (mbregex) POSIX 拡張正規表現 (regex) このうち、regex は バイナリセーフでない 日本語は扱えない PHP 5.3 で非推奨 なので使わない方がいいでしょう。見つけたら、随時 pcre か mbregex で書き直しましょう。 Perl 互換の正規表現 (pcre) 正規表現エンジンは Perl の「PCRE」 日本語は UTF-8 のみ扱える UTF-8 を使う場合は、パターン修飾子に u を指定する 文字クラスはロケールの影響を受ける PHP: 文字クラス - Manual 処理の制限値 (p
Shibuya.pm #16 「夏の正規表現祭り」で、正規表現のお話をさせていただきました。 まぁ、「電話番号にマッチする正規表現」とか「郵便番号にマッチする正規表現」とかよく書かれてるけど、「どれもこれも手緩いよね」って話。 あ、だいぶはしょったかな。 とりあえずスライドに書いたので、発表をご覧になってない方はスライドからご覧ください。 ふと見返すと、このブログで電話番号の正規表現を公表するのは 3 度目ですが、あれからだいぶ経ってますね。 今ではもっと厳密な正規表現を作っています。 そして、Number::Phone::JP に続き、Number::ZipCode::JP という酔狂なモジュールが公開された記念で、郵便番号にマッチする正規表現を今回初めて公開しますが、そもそもここまで厳密な正規表現が公開されること自体、本邦初公開ってヤツでしょう。 Shibuya.pm でも言いましたが
Perl › 正規表現 Perlの正規表現の解説です。この記事を読めば、日常で利用する正規表現のすべてを短時間でマスターすることができます。正規表現を使えば、文字列の集合を表現することができ、正規表現にマッチする文字列を検索したり、置換したりすることができます。 正規表現を使って文字列の集合を表現できます。たとえば「a」「aa」「aaa」という三つの文字列を正規表現で表現してみましょう。連続する文字の個数を表現する正規表現「{}」を使って次のように書くことができます。 a{1,3} 「a」「aa」「aaa」という文字列の集合をひとつの正規表現「a{1,3}」で表しています。{}は量指定子と呼ばれるもので、連続した文字を表現することができます。 a aa -> a{1,3} aaa 正規表現の例をもう一つみてみましょう。「p1」「q1」「r1」という文字列の集合をひとつの正規表現「[pqr]
追記:ハッキリ言ってこの正規表現はネタなので,実際に素数判定を行いたい場合は,もっと別な賢いアルゴリズムを使ったほうが良いです 正規表現で素数が判定できるという記事を見たので試してみた. http://www.noulakaz.net/weblog/2007/03/18/a-regular-expression-to-check-for-prime-numbers/ この記事によると /^1?$|^(11+?)\1+$/ という正規表現を使うと,素数判定が出来るらしい.ある整数 n が素数かどうか判定したい場合は,"1" * nという文字列がこの正規表現にマッチするかどうかを調べればよく,マッチすれば非素数,マッチしなければ素数となる.ただし,"1" * n は,例えば,n が 4 ならば "1111" と 1 が 4 回連続して続く文字列となる. Rubyで書いた素数判定プログラムはこん
正規表現の概要 正規表現は、Perlの中で最も重宝する機能のひとつです。正規表現にはテキスト処理のための様々な機能があり、文字列の中から特定のパターンを見つけ出したり、置換したりすることができます。 正規表現の基本的な使用方法 たとえば、$strという変数に格納したデータの中から、「A」で始まって途中は何があるかわからないが最後が「E」という文字列を探したい場合、次のように記述することで、条件にマッチする文字列を見つけることができます。 $str =~ /A.*E/; 上記では、ドット( . )が改行以外の1文字を表し、アスタリスク( * )がその任意の文字の0回以上の繰り返しを意味します。このように、正規表現において特殊な働きを持った文字を正規表現演算子、またはメタ文字と呼びます。また、=~ はパターン結合演算子と呼ばれ、「左辺の値から右辺の値を検索する」という意味があります。 正規表現
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