本作において、劇作家・演出家、松田正隆の同名戯曲のセリフを一言一句変えずに映画化することに挑戦した越川道夫監督は、主人公の女を演じる河野知美と夫を演じる梅田誠弘の演技、存在感の素晴らしさも相まって、演劇の一回性を生々しく捉えた、”映画”ならではの見事な呼吸が息づく作品を創り上げた。ここに、間違いなく代表作の一つになるであろう作品『水いらずの星』を撮り上げた、越川道夫監督のインタヴューをお届けする。
「好きなだけ撮ればいいさ」写真の了解を撮った時のイェジー・スコリモフスキの言葉が、なんとなく彼の人となりを体現していると思った。伝説と呼ばれるポーランド人監督が17年ぶりに長編映画『アンナと過ごした4日間』を撮った。しかも、スターリン批判の嫌疑で母国を追われ、イタリア、イギリス、アメリカはハリウッドと点々としてきた監督の久しぶりのポーランドでの撮影と聞けばなおさら期待が高まるというもの。若い頃からアンジェイ・ワイダの『灰とダイヤモンド』の脚本を断り、『夜の終わりに』を共同執筆して出演もし、ロマン・ポランスキーの『水の中のナイフ』の台詞を執筆するなど、当時の才能の爆発と共に歩いてきたスコリモフスキは、『Rysopis』(64)でアーンヘム映画祭のグランプリを受賞したという。だが順調だった監督生活も『手を挙げろ』のスターリン批判で上映禁止に。ベルギーで撮ったジャン=ピエール・レオーの『出発』は
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