しかし、景気は悪化しているもようだ。円高は輸出主導の日本経済の重しだし、失業率は記録的高水準にある。国際通貨基金(IMF)は、日本のデフレが2012年まで続くと予想した。 政治も逆風だ。暴力団は公共工事の利益の分け前にあずかってきたが、民主党中心の新政権は新規のプロジェクトを進めるどころか事業中止に動いている。おまけに「ショバ代」を集める対象のバーの稼ぎもいまひとつで、売春業も2年前に比べると客が減っている。家計も借金には慎重だ。株取引と不動産も低迷が続いている。 暴力団員もリセッション(景気後退)を乗り切るために知恵を絞っているに違いない。暴力団同士の抗争が激しいのも焦りの表れかもしれない。 これらを、経済の本筋と無関係な出来事と考えるのは間違いだ。やくざが試験勉強をしていることは、裏社会の苦境を如実に表している。その他の日本国民も、苦境にあることは同じだ。(ブルームバーグ Willia