オレが好きなジャンルのひとつに、フェイクドキュメンタリーというものがある。幼い時分に「食人族」や「川口浩探検隊」と出会い、後追いながらヤコペッティ作品に触れ、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の成功とそれが生み出した潮流をやや遠目に眺めてきた。『トロール・ハンター』は近年の傑作であったと思う。逆に出来のよくないフェイクドキュメンタリーは大嫌いで、松本人志のデビュー作「大日本人」などは酷評せざるを得なかった。自分のそこそこの経験から言って、真実ノンフィクションの純ドキュメンタリーにおいても「フェイク」の瞬間は存在するし、やらせ上等フェイクドキュメンタリーの中にもどうしようもなく「リアル」は存在するものだ。出来の悪い作品は総じて、このへんに無自覚なのですね。 常に金のないホラー映画というジャンルは金のかからないフェイクドキュメンタリーというジャンルと親和性が高いため、「ブレアウィッチ」の成功後