万引きなどを繰り返す「窃盗症(クレプトマニア)」の加害者家族に焦点を当てた講演会が10月19日、様々な依存症問題に携わる東京都大田区の大森榎本クリニックで開かれた。 講演会には、加害者家族支援を行うNPO法人「ワールドオープンハート(WOH)」代表の阿部恭子さんが登壇。加害者家族と関わってきた経験から、「ステレオタイプの加害者家族像を壊すことが大事だ」と話した。 ●加害者家族支援の活動を始めたきっかけ 2008年、東北大学大学院で犯罪被害者などについて研究していた阿部さん。ある時、「罪を犯した加害者の家族が自殺している」という話を耳にした。ふと疑問に思い、加害者家族がサポートを受けられる場所を探したところ、その当時は相談機関や支援団体が一つもなかった。弁護士に聞いても、「情状証人として家族と会うことはあっても、どんなことで困っているかというのは把握していない」と言われた。 「加害者家族の存