どんな医師が担当になるかは、患者にとっての一大事だ。できれば、やさしくて優秀な先生に診てもらいたい。おまけに美女なら文句はない――。 だが、当の医者も同じことを考えている。医師たちは異口同音にいった。 「医者だって人間です。患者を選り好みしてはいけないという“タテマエ”はわかっているけれど、好き嫌いの感情に負けそうになることがあります」 吉祥寺セントラルクリニックの矢端正克院長は苦笑する。 「病状を説明しても全然聞いてくれない患者さんがいるんです。何度、食事や生活習慣改善の指導をしても実行しない患者さんもいる。自己管理をきちんとしないと医師にかかっても病気は治りません」 中には1時間以上くどくどと愚痴を続け、診察室に居座る中年の女性患者も。 「他の患者さんも診察を待っているのだから、今日はもうお帰りくださいと帰ってもらったこともあります」 男性医師の場合、若い女性の来院に色め