アレルギーだと周囲に告げるのをためらう、つい口にした食べ物で症状に苦しむ――。食事会や飲み会など、食物アレルギーを持つ子どもが成長に伴い、困る場面に直面することがある。そこで、アレルギーを持つ人同士がこうした悩みを分かち合ったり、支援したりする動きが出ている。 奈良市の大学2年生、鷲(わし)裕一さん(20)は、100人以上が参加したサークルの新入生歓迎会でひやっとした経験がある。卵と牛乳のアレルギーがあるが、まだ誰にもアレルギーと告げていなかった。バーベキューで何かの食べ物に反応し、じんましんが出た。「言うと大ごとになるだろう」と、言い出せずに我慢した。その後も大勢での食事の機会が増え、食材が気になった。 食物アレルギーは原因となる食べ物を取ると、じんましんや呼吸困難などの症状が出る。重いと意識を失うなどショック症状を起こすこともある。国内では増加傾向とされ、幼児では約5%にあるとされる。