ギリシャ北東部カスタニエスから国境を挟んで撮影したトルコ側で待つ移民たち(2020年3月2日撮影)。(c)Sakis MITROLIDIS / AFP 【3月3日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は2日、移民「数百万人」が同国経由で間もなく欧州に向かうと警告した。欧州連合(EU)の指導者らは、トルコのシリア侵攻を支持するようEUに圧力をかけているとして、エルドアン大統領を非難している。 トルコは先月末、難民や移民がトルコ経由でEUに向かうことを容認する可能性を示唆。以降、ギリシャと接しているトルコの国境地帯には大勢の移民が集まっており、2015年に欧州で政治問題となった移民の大量流入に発展するのではないかとの懸念を引き起こしている。 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、トルコの動きは「受け入れ難い」
シリアを筆頭に中東やアフリカ諸国から欧州に押し寄せる大量の移民・難民の対応には、国際的な協調が欠かせない。本年3月には、欧州連合(EU)域内へ流入する非正規移民の抑制でカギを握るトルコとの間で、同国から海を渡ってギリシャに流入する非正規移民への対応策を柱とする「EU・トルコ声明」が合意された。声明の合意に至る経緯とその実施に関する進捗状況について報告する。 移民・難民問題でカギを握るトルコ 地中海ルートや西バルカン・ルートを通ってシリアなどからの多数の難民流入に見舞われているEUでは、域内外の難民に人道的保護を保障するだけでなく、対外国境において域内に流入する非正規移民の数を抑制する措置が待ったなしの状況だ。この措置でカギを握るのが、ギリシャとシリアの間に位置するトルコの存在。 トルコはその地理的な理由ゆえ、シリアをはじめ、イラクや他の国々から多くの移民・難民がやってくる。トルコ国内で登録
いまトルコについて考えることは本質的なことである。 トルコについて考える経験を通じて、自由民主主義を奉じる先進諸国に生きる人々は、自分たちの暮らしがどんな基盤に拠って立っているのかを理解する。それはひどく脆弱な基盤であり、少しの変化で動揺してしまうほどのものだ。 そして、いままさにその基盤が危機にさらされようとしている。 直接的に言えば、今年の3月に結ばれたEU-トルコ間での合意によってトルコ経由でのEU諸国への難民流入が大きく抑制されていたのだが、その合意自体が現在危機に瀕している。 Migrant crisis: Turkey threatens EU with new surge - BBC News トルコ大統領「移民に国境を開放」、加盟交渉渋るEUに脅し | AFPBB News この記事ではその危機について書いていく。 「EU-トルコ間合意」の成立と動揺 難民の「ダム」としての
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