――90年代後半はどうでしたか? ブレイクビーツからエレクトロニカといわれていたシーンへ繋がっていった時代ですね? 「テクノは<機能性>を基準にフロア向けとリスニングとに二分化されていった。俺としては『そんなに単純じゃないだろう…?』という思いがあって。その<機能性>というのは踊れるかどうかという意味で使われていたわけだけど、その踊れる音というイメージのレンジが狭すぎると思った。その頃には一方でMO'WAXやNINJA TUNEなどがブレイクビーツにテクノ的な感覚を取り入れてきたし、テクノでリスニングとか実験的と言われるものにもいいグルーヴのある曲はあって。そんなわけでメイン・フロアとチルアウト・ルームとのその中間みたいな場が自分の頭のなかに浮かんでいた」 ――80年代初めには、主流であった極端な振り分けとは違う音楽的な部分を求めて探求されていました。90年代中頃になると、フロアとリスニン