明治の文豪・森鴎外と草花との関わりに着目した特別展「鴎外の『庭』に咲く草花-牧野富太郎の植物図とともに」が、文京区千駄木の区立森鴎外記念館で開かれている。鴎外と交流のあった植物学者・牧野富太郎の植物図も展示している。 同館によると、鴎外の小説や随筆などには五百種類以上の草花が登場する。特別展には、作品に出てくる草花を描いた牧野の植物図や鴎外の日記など九十五点が出品され、鴎外が草花とどう向き合ったかをひもとく。 小説「田楽豆腐」は、西洋花の名前を調べに植物園に向かう男性が主人公で、鴎外がモデルとされる。展示では、作品に登場するダリアやツツジを描いた牧野の植物図や、昭和初期の小石川植物園の絵はがきを並べ、当時の様子を伝える。