人口はわずか500万人、東京23区ほどの国土しかないシンガポール。スポーツが文化として根付いているとはとても言えないこの国で、アルビレックス新潟シンガポール(以下ANS)はSリーグ(シンガポールサッカーリーグ)に参入した。異国の厳しい事業環境で日本人がプロサッカーチームを経営するのは、至難の業だっただろう。しかし、若き経営者・是永大輔氏はチームを見事に独り立ちさせた。やりたかったのは、「世界で堂々と戦える日本人を創る」こと。サッカーはその手段でしかないと言い切る。この成功物語から、日系企業がアウェーで戦うには何が必要となるのかを学んでみたい。 どうやってプロサッカーチームを独り立ちさせたのか? ■海外で困難な状況に直面したことがチャンスに。困難だからこそ新しいビジネスの発想が生まれる 正直シンガポールでの仕事を引き受けた時に、これほど厳しい状況とは思っておらず、赴任して驚いた。日本人がシ