大阪公立大学などは汗をかいた時に強いにおいが出る「腋臭症(わきが)」の原因になる菌を特定し、ピンポイントに死滅させる酵素を合成した。従来の抗菌剤は有用な菌まで殺菌する問題があった。腋臭症を治療する塗り薬やデオドラントの開発につなげる。日本人の1割が患う腋臭症は、脇などにあるアポクリン腺という汗腺が固有の物質を分泌するのが原因だ。分泌物自体は無臭だが、皮膚にいる菌が分解して揮発性の臭い物質に変え
サイトカインストームに関わる免疫細胞の走査電子顕微鏡カラー合成画像。1個のマクロファージと2個の樹状細胞と多数の白血球が見える。サイトカインは通常の免疫反応にとって重要だが、過剰に放出されるサイトカインストームは害になりうる。(COMPOSITE MICROGRAPH BY STEVE GSCHMEISSNER, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 新型コロナウイルス感染症の後遺症で特徴的に見られる免疫系の異常な活性化は、感染から2年でおおむね鎮まることを示した論文が、4月17日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された。長く続く症状に悩む患者たちに、緩やかな回復がありうるという希望をもたらす研究結果だ。 新型コロナにかかった人のおよそ10人に1人は、疲労感、ブレインフォグ(脳に霧がかかったようにぼんやりする症状)、息切れ、動悸、抑うつなどの幅広い症状
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1年。日常生活は平時に戻りつつあるが、依然として流行の波を繰り返している。厚生労働省が4月に発表した最新の人口動態統計(概数)によると、昨年5~11月に計1万6043人が新型コロナで死亡。専門家は「命を落とす人がいることを改めて理解して」と訴える。政府は法改正や新組織発足を進め、次の感染症危機に備える。 今年4月以降は、治療薬や入院費の負担が増え、医療機関への受診控えも危惧される。 マスク着用といった感染対策は今後も状況に応じて求められる。国立病院機構三重病院の谷口清州院長(小児感染症学)は「国民が適切な感染対策を取るためにも、政府は重症化率や入院後の死亡率といった感染の実態が分かる情報をこまめに知らせるべきだ」と指摘する。 高齢者や基礎疾患のある人は重症化リスクが高い。同じ5類の季節性インフルエンザは、2019年の年間死者数が
医療界を震撼させている『脳外科医 竹田くん』。そのモデルとなった脳外科医A氏は現在、大阪府の吹田徳洲会病院の救急部門に勤務しており、そこでも「デタラメな診療」を連発しているという。 【「指に針を突き刺して…」決死の内部告発!『脳外科医 竹田くん』のモデル医師が大阪で「デタラメ診療」連発、病院は大混乱】に続いて、その恐るべき実態と、勤務先病院幹部の直撃取材をお伝えする。 「職員アンケート」の結果 昨年の間には、A医師の行状、さらに彼が『脳外科医 竹田くん』のモデルとなった医師であることは院内に知れ渡っていた。同時期、有志が職員アンケートを実施して院長に提出したほか、A医師の懲戒や退職を求める声も上がっている。 〈各患者の把握が全くできていない〉 〈何度も意見したり報告書を提出してますが、何も状況変わらない〉 〈カリウムの急速投与未遂やスタッフへの針刺し事故など今までの医師とは明らかに違う。患
名門病院の救急部門に、去年やってきた中堅医師。着任からまもなく、現場は大混乱に陥った。その正体が、医療界を激震させている、あの「脳外科医」だったとは。恐怖の内部告発スクープ。 こんなにひどい医者は初めて ここに、50枚以上に及ぶ文書がある。すべて、同じひとりの医師の行状に関する「報告書」だ。 「私は長年この病院に勤めていますが、こんなにひどい医者は初めてです。 彼の力量不足とデタラメな処置で、治るはずの患者さんが、命の危機にさらされることが度重なっています。今すぐ医者を辞めてほしい。多くのスタッフが、心の底からそう思っています」 決意を固め取材に応じたのは、大阪府吹田市、万博記念公園近くにある「吹田徳洲会病院」救急部門のスタッフである。 医療界を揺るがしている『脳外科医 竹田くん』。兵庫県の赤穂市民病院で起きた連続医療ミスと、それに関与した医師がモデルの「ほぼ実話」のマンガだ。本誌は3月9
FDAは食料品店の牛乳から鳥インフルエンザのウイルス粒子が検出されたことを受け追加検査の実施を発表/Sarah Silbiger/Getty Images (CNN) 米食品医薬品局(FDA)は23日、食品店で販売された牛乳の中からH5N1型鳥インフルエンザのウイルス粒子が見つかったと発表した。そうした牛乳を飲んだとしても安全性に問題はないとの見方を示している。 FDAは畜牛の鳥インフルエンザ流行に関する更新情報の中で、高感度検査でウイルス粒子が検出されたと述べ、低温殺菌の過程で死滅したウイルスの残骸だったと思われると説明。この粒子から人が感染することはなさそうだと考えられるとしながらも、確認のための検査を行っていることを明らかにした 「これまでのところ、市販の牛乳が安全だという我々の評価に変わりはない」とFDAは強調し、検査結果は数日から数週間以内に公表するとしている。 一方、市販の牛乳
EARLの医学ツイート @EARL_med_tw 日本糖尿病学会「血糖値が測れるスマートウォッチの広告がよく流れてるけど、そんなんで測れないから騙されるなよ」 jds.or.jp/uploads/files/… pic.twitter.com/3V937kee4A 2024-04-23 19:10:14 EARLの医学ツイート @EARL_med_tw 中の人はブロガー医です。専門は感染症、感染制御、急性呼吸器疾患、敗血症、PICSなど。感染症・救急集中治療・AI関連の論文ツイートが多いです。偽医療情報アカウントリスト公開中。コロナワクチン7回接種済みPPPMPMP/8964天安門事件プーさん drmagician.exblog.jp
世界の平均寿命は1990~2021年の間に6.2年延びたが、新型コロナウイルスの大流行により、死因の順位が大きく入れ替わった。英医学誌ランセットに掲載された研究から明らかになった。 1990年から新型コロナウイルス流行前の2019年まで、世界の死因は一貫して、虚血性心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患、下気道感染症が上位を占めていた。この期間中に、すべての死因の死者数が年間で0.9~2.4%減少したことにより、全世界で平均寿命が延びた。 ところが、新型コロナウイルスの世界的な大流行で状況は一変。同ウイルスに関連する死者の増加で2019~21年の間に世界の平均寿命は1.6年縮まり、新型コロナウイルスが死因の第2位となった。世界の死因の順位が大きく入れ替わったのは数十年ぶりとなる。 平均寿命の変化は、地域によって大きく異なる。東南アジア、東アジア、オセアニアでは、慢性呼吸器疾患、脳卒中、下気道感染
【この記事のポイント】・赤字の健保組合が増えて24年度は全体の9割弱に・加入者に課す保険料率を引き上げる動きが広がる・収支が改善しなければ健保の解散が増える可能性大企業の従業員らが入る健康保険組合の財政悪化が鮮明になってきた。健康保険組合連合会(健保連)によると全国約1400組合の2024年度予算ベースの経常収支は合計で6578億円の赤字を見込む。高齢者医療への拠出金の増加が響く。少子化対策財源
Published 2024/04/23 08:32 (JST) Updated 2024/04/23 19:32 (JST) 女性患者は女性医師に治療された方がメリットが大きいことを米国での調査で明らかにしたと23日、東京大などのチームが米医学誌に発表した。男性医師の場合より死亡率や再入院率が低かった。女性医師が増えれば、女性患者の治療経過の改善につながる可能性があるとしている。 研究では、米国の高齢者向け公的医療保険の診療報酬データを活用し、2016~19年に約4万2千人の医師が治療した65歳以上の緊急入院患者約78万人を調査。年齢や病態などをそろえて医師と患者をそれぞれ性別で比較、分析した。 女性同士だと患者が気兼ねなく症状を打ち明けやすいことなどが背景にあるのではないかと推測。チームの宮脇敦士・東京大特任講師(公衆衛生学)は「日本でも女性医師は少ない。同様の傾向があるか調査し、医療
謎の痛みやめまい、ふらつき。年齢を重ねると増えるそれらは大病の前兆かもしれない。体が発するサインを見逃すことなく、原因を初期段階で摑むにはどうすればいいのか。各ジャンルの名医たちが「意外な前兆」とその対処法を伝授する! “人食いバクテリア”と呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が、ひそかに急増している。感染者の約3割が48時間以内に死亡。感染症の中でも特に高い致死率があり、病状が急速に悪化することが特徴だ。感染症の専門家である菊池賢氏が話す。 「初期症状としては脚に赤みや腫れ、アザが現れることが多いです。そこから高熱が出て、腫れなどが急激に拡大。やがて意識がボーッとして赤く腫れた脚が黒ずむ。この段階になるとかなり危険な状態。脚の切断や、最悪の場合には多臓器不全や敗血症などにより死に至ってしまう」 しかし、早期に人食いバクテリアだと診断されることは少なく、それがこの感染症の恐ろしいところ
コロナにかかると心不全に? あなたはコロナに感染したことがあるだろうか。もし一度でも感染していたら、あなたの「心不全」のリスクは爆発的に大きくなっているかもしれないーー。そんな衝撃の事態を示唆する研究結果が発表され、医療関係者の間で強い危機感が持たれている。 研究を発表したのは、日本最高峰の科学研究所で数々のノーベル賞受賞者を輩出している理化学研究所と、京都大学の共同研究チーム。論文は昨年末に発表されたもので、新型コロナウイルス感染症が心不全のリスクを高めること、そして心不全患者を急増させるおそれがあることに強く警鐘を鳴らしている。 心不全とは、何らかの疾患が原因となって心臓のポンプ機能が弱まり、全身に送る血液が減ってしまうこと。心不全になると血液の循環が悪くなり、臓器に十分な酸素や栄養素を送ることができなくなる。なかでも影響が大きいのが肺だ。心不全になると、肺に血がたまり、ちょっと歩いた
小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」による健康被害の報告が相次いでいる。どこに原因があったのか。科学ジャーナリストの松永和紀さんは「サプリから検出された『プベルル酸』が原因である可能性が指摘されているが、専門家は『現時点では断言できない』と慎重な姿勢を崩していない」という――。 どうやってサプリに「異物」が混入したのか 小林製薬の紅麹サプリメント問題は入院患者が3ケタを超え、死者も5人と報告されています。台湾でも、被害報告が出てきました。サプリと症状の因果関係は確定していませんが、原因物質としてサプリから検出された「プベルル酸」の疑いが浮上しています。 前回、〈なぜ「紅麹サプリ」で死亡例が起きたのか…健康に良いとされる「機能性表示食品」の制度的な欠陥〉と題して、制度の問題点を探りました。 今回は、「プベルル酸の性質」「どのような経路でサプリメントに混入したと考えられるのか」「こうしたカビが作る
「なんとかしのいで行くしかない」 「現場に押しつけられた課題だ」 4月1日。きょうから患者の診療にあたる勤務医に、法律に基づく労働時間の上限規制が適用されます。 この「医師の働き方改革」に伴って診療体制を縮小するなど、私たちが受ける医療にも影響が出始めています。 一方で、“改革の抜け穴だ”という指摘も現場からは上がっています。 日本の医療の何が変わるのでしょうか? 「帰って、帰って、帰って」 朝6時。 北海道南部の救急医療を担う函館市の市立函館病院に出勤してきたのは、消化器外科の科長を務める笠島浩行さん(54)です。 出勤はいつも、朝日が昇る頃。 早朝出勤の理由は部下10人ほどの医師の勤務状況をつぶさに確認するためです。
Published 2024/03/25 05:46 (JST) Updated 2024/03/25 06:02 (JST) 風邪薬などの医薬品の不足が長引いており、厚生労働省は4月から、医療用医薬品の限定出荷や出荷停止の情報を同省ホームページ(HP)で随時公表する。供給不足の薬の情報を医療機関や薬局が即座に把握できるようになり、代替薬準備などの対応に役立ててもらう。 医薬品の製造販売企業が、供給不足や限定出荷などが生じた場合に厚労省へ報告。同省はそれらの内容を集約、整理した上で、製品名や企業名、改善が見込まれる時期、代替できる薬といった情報をHP上で随時更新する。 現在は日本製薬団体連合会(日薬連)が供給状況を月に1回調査して公開しているが、即時性のある情報を求める声があった。
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