ジョン・ゲイの『乞食オペラ』では、薄い皮膜の下にあるものがこれ見よがしに剥き出しにされる瞬間がある。最後の乞食の口上だ。 この芝居全体をご覧になって、貴君もお気づきだと思うんだが、当節は上層と下層の人間の行状が互いにすこぶる似通っているんだよ。目下人々が耽っている種々の悪徳にしたって、お歴々が追い剥ぎの真似をしているのか、それとも追い剥ぎがお歴々の真似をしているのか、区別ができかねるほどさ。芝居の結末が当初私の意図したままだったら、素晴らしい教訓を観客に伝えられたと思うんだがね。つまり、下層の人間も金持ち連中と同様に悪徳に染まっていて、その結果立派に罰を受けているってことをね。(P140、141『乞食オペラ』) 『乞食オペラ』は下層の追い剥ぎたちを描いたバラッド・オペラだが、当時の観客には、それが実は上層の人間たち――ロバート・ウォルポールなど――を描いたものであり、真の狙いが下層の追い剥
年末恒例のオリジナル番組「闘うベストテン」が今年も放送決定! 4名の"本の達人"が昨年11月から今年10月に刊行された、ミステリー書籍の年間ベスト10を決定すべく熱いバトルを繰り広げる! 投票や多数決ではなく出演者それぞれの熱い想いが順位を決める、まさに乱闘寸前の「闘うベストテン」お見逃しなく! 今年度ノミネートのベスト30作品はこちら! 『アンダー・ザ・ドーム』スティーヴン・キング 『アンダーワールドUSA』ジェイムズ・エルロイ 『11 eleven 』津原 泰水 『エージェント6』トム・ロブ・スミス 『オーダーメイド殺人クラブ』辻村 深月 『折れた竜骨』米澤 穂信 『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』大沢 在昌 『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』奥泉 光 『ジェノサイド』高野 和明 『謝罪代行社』ゾラン・ドヴェンカー 『醜聞の作法』佐藤 亜紀 『消失グラデーション』
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