ファウストのお薦め動画は、1975年パリ・オペラ座(指揮:マッケラス)、かつてLDで発売されていた名演です。 重厚な中に煌めきのあるオーケストラの音が美しく、何よりラヴェッリの演出が素晴らしい! 物語の舞台を中世から19世紀のパリに移しかえた演出は、当時としてはかなり前衛的だったのだそうですが、違和感がないどころか、むしろこの曲が作られた当時の風俗がかえって曲にぴったりで、本来の姿、という気さえします。 衣装や化粧が、ロートレックの絵画のようで、パリの香りに満ち、フランスオペラらしさ満点。ただし、1975年当時は新しすぎて批判が多く、あまり成功した公演ではなかったそうです。2001年に同じ演出で再演されていて、動画もありますが、やはりこの1975年の舞台の方がはるかによいです。 名歌手ゲッダとフレーニの両主役は、表現力豊かな艶のある声で素晴らしいですが、それに劣らず秀逸なのがメフィストフェ