先日、なんとなく後藤田正晴の回顧録『情と理』ってのを読んだ。 以前、丸二年近く前に書いた、中曽根と後藤田の違いがわかった気がする。 後藤田は戦前の内務省官僚あがりで元警察長官だけあって、ガチガチに管理側の人間のはずで、実際、60年安保の時だって警察力が大きければデモ隊は暴走せず、樺美智子は死なずに済んだ、とか、自信を持って語る。しかし、そんな後藤田、東京帝大卒のエリートなのに戦時中は陸軍に徴用され、職業軍人にコキ使われ辟易したらしい。とにかく、職業軍人は視野が狭いと語る。 一方、中曽根のいた海軍はインテリ士官が多かったというが、海軍士官は陸地から切り離されてるし、インテリ士官だけで固まって(何しろ海軍は士官と兵卒で食事から違うのだ。陸軍の方が良くも悪くも「同じ釜の飯」意識が徹底していたらしい)ある意味では観念的だったらしい。 後藤田も究極的には改憲論者だが、改憲は自分らの世代が死に絶えてか