変わるぎふの法廷 裁判員になる市民 第３部「事件背景探る情状鑑定」−岐阜新聞 Web模擬裁判の冒頭で法廷に立つ被告人。犯罪行為のみではなく、背景や生い立ちなども考慮した判決が求められる＝昨年１１月、岐阜地裁 「結局、考慮されたのは年齢だけか」。昨年７月、岐阜地裁で行われた模擬裁判で、評議の様子を見ていた男性弁護士は、危機感を募らせた。 口論の末に知人をナイフで刺した殺人未遂事件の模擬裁判。弁護側は情状面として▽反省の様子▽高齢▽被害者の落ち度―などを主張したが、裁判員らが採用したのは、被告人が「高齢」という点のみだった。 刑事裁判の大半は、被告人が罪を認めている自白事件だ。事実関係に争いがない場合、弁護側は情状面の立証に力を注ぐ。被害者への謝罪や被害弁償、反省の態度、更生の意欲。さらに、被害者側の落ち度や偶発性など被告人が罪を犯した事情にも一定の理解を求める。 だが市民は、罪を犯した人に対し、厳しい傾向にある。「悪いのは被告人自身」「弁償や反省は当たり前」。特に同種前科
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