多様な図書館と人をつなぐ「はこだてLL文庫」の試み 毎年夏になると,函館市内の図書館では「はこだてLL文庫」という名のちょっと変わった展示が一斉に行われる。企画・運営しているのは,函館市内の図書館連携プロジェクトチーム「ライブラリーリンク」。函館市内の公共,大学,短期大学,高等専門学校等の9つの図書館が館種を超えて連携し,函館市民や学生に学習や読書のより充実した環境を提供することを目的に活動している。「はこだてLL文庫」は,ライブラリーリンク参加館のうち市民サービスを提供する図書館が,同時期に同一テーマでそれぞれの所蔵資料を展示する特別企画である。函館市民が市内の多様な図書館に足を運ぶきっかけづくりとして始めた「はこだてLL文庫」の魅力と効果について紹介する。 「はこだてLL文庫」の魅力は,展示される本の多様さだろう。「はこだてLL文庫」は,共通のテーマに基づき,各館で選書や展示を行い,展
蔵書更新滞り、利用者遠のく 秋田市立図書館 予算が少ないため、ボランティアに修理してもらうのを待つ破損した本の山=秋田市立中央図書館明徳館 秋田市立図書館の本の購入予算が極端に少なく、蔵書の更新が滞っている。人気の新刊や専門書はそろえられず、古い本が並ぶ図書館に、利用者の足は遠のいている。 市立図書館は、中央図書館明徳館、明徳館河辺分館、新屋図書館、土崎図書館、雄和図書館の5館。日本図書館協会によると、2012年度の図書費は5館で計1292万2000円。人口1人当たりで計算すると約40円で東北の県庁所在地で最下位だ。域内に約3万人を抱える新屋の予算は89万円、約8万人の土崎は88万5000円と、すずめの涙ほどしかない。 全国の市町村図書館の普及活動をしている小林是綱・元山梨県石和町立図書館長は「図書費は1人当たり600円が理想。新屋と土崎は予算が少ないというレベルを超え、図書館なんて要
◆「静」から「動」に県立評価 全国の公立図書館を対象に昨年夏に実施された調査で、県立図書館は「活動が優れている」として国立国会図書館を除く都道府県・市町村立図書館の中で最高の評価を得た。 実施したのは慶応大教授の糸賀雅児(まさる)(59)=図書館学=の研究室。サービスや事業に関する調査で、全国の公立や大学図書館1279館が回答。注目している図書館として、99館の国会図書館に次ぎ、41館が県立図書館を挙げた。 10年余り前から県立図書館の取り組みに注目し、継続的に鳥取に来て調査をしてきた糸賀。調査結果について、「ビジネス支援事業などで職員がどんどん外に出向き、図書館のイメージを『静』から『動』に変えたことが評価された」と分析。また、県内の複数の公立図書館がビジネス支援に積極的に取り組んでいることなどから、「その姿勢が市町村にも浸透している」と指摘する。 研修で職員のスキルアップを図り、さらに
PR誌『みすず』に連載中から愛読していた宮田昇さんの文章が『図書館に通う』という本にまとまった。「当世『公立無料貸本屋』事情」というサブタイトルがついている。 著者は私のちょうど十歳上。戦後まもなく就職した早川書房からタトル商会に移り、米軍占領下にはじまる混乱した著作権問題に素手でとりくみつづけた方である。そのあたりのことは私もすでに『翻訳権の戦後史』や『戦後「翻訳」風雲録』などの著書で知っていた。その出版界の大先達が、いまや私同様、ひとりの退職老人として公立図書館のヘビーユーザーと化していたとはね。 ほどなく消えてゆく身で、手持ちの本をこれ以上ふやしたくない。経済的な事情もまったくないわけではないらしい。退職老人の後輩としては、そうした著者のつぶやきの一つひとつが身にしみる。 仕事をやめた宮田さんは、暇にまかせて、じぶんの街の図書館で高村薫や宮部みゆきや桐野夏生の作品をまとめて読み、これ
公立図書館における書籍の貸出が 売上に与える影響について 【要旨】 我が国の著作権制度上、公立図書館において、非営利・無料で書籍類の貸出は、権利制 限規定により著作権者の許可なくして行うことができる。しかし、図書館における書籍の 貸出は売上を減少させるものであるとして、一部の諸外国において制度化されている、図 書館が貸出を行う代わりに著作権者に報酬請求権を認める、いわゆる「公共貸与権」の導 入を求める要望が著作権者側から挙がり、1990 年代末から同制度の導入の是非を巡り議論 が交わされたが、統計的な分析にまで議論が及んだものはなかった。 本論文は、計量経済学に基づく統計的分析手法を用いて、図書館における書籍の貸出が 書籍の売上に与える影響を明らかにすることを目的とする。分析の結果、むしろ図書館に おける書籍の貸出によって、売上が総計としては増加していることが分かり、貸出が売上 を減少させ
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