就航30年以上、日中の経済規模逆転 日本と中国を結ぶ国際フェリー「鑑真」号が就航して30年以上になる。この間、日中関係は大きな変容を遂げた。大阪、神戸と上海を約47時間かけて結ぶフェリーには今、どんな人が乗るのだろうか。【林哲平】 <2月19日午前9時半、大阪南港=大阪市住之江区> 国際フェリーターミナルに上海行きの船を待つ人が集まり始めた。春節(中華圏の旧正月)明けとあって、日本各地の土産を抱えた中国人観光客の姿が目立つ。この日の乗客は中国人36人、日本人12人、スリランカ人1人。1万4500トン、定員345人の客船としては寂しい。大阪(関西空港)-上海の飛行機は2時間台、今や片道1万円以下のチケットも買える。2泊3日の船旅は時間の面を考えれば、多くの旅行客の選択肢に入りづらいのは確かだ。 鑑真号が就航した1985年、船を取り巻く状況は全く異なっていた。「日中に定期船航路 東西財界が協力