自民党の下村博文政調会長は19日、高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種が年内に終わらない可能性に言及した。「自治体によっては医療関係者の協力が足らず、65歳以上に限定しても場合によっては来年までかかるのではないか」と述べた。本部長を務める党新型コロナウイルス感染症対策本部の役員会で発言した。「全国民が接種できるのは来年春くらいまでかかるところもあるかもしれない」とも語った。党
3月27日付当欄で「臆測でお白州に引き出すのか」と題し、臆測や推測レベルの話で執拗(しつよう)に安倍晋三首相の昭恵夫人の証人喚問を求める野党のやり口は、もはや「人権侵害の域」ではないかと書いた。すると、産経新聞読者サービス室に、千葉市の男性から次のようなメールが届いた。 「昭恵さんの証人喚問が実現すれば日本の社会に大混乱をもたらすだろう。知らぬ間に隣人や知人に犯罪容疑者にされる恐怖が社会全体に疑心暗鬼を生むからです」 また、千葉県浦安市の男性からは、同室にこんな電話があった。 「臆測で『裁判』にかけられるようになったら自由に意見も言えなくなる。何とかまっとうな世の中になってほしい」 日本社会の現状に深い閉塞(へいそく)感を覚え、今後の日本のあり方についても憂慮しているのが伝わってくる。現代の魔女狩りに、おぞけをふるう人は少なくない。 一方、立憲民主党など野党6党は4日、国対委員長会談を開き
特攻隊を題材にした創作落語「明日ある君へ〜知覧特攻物語」を熱演する落語家の桂春蝶さん=7月10日午後、奈良県王寺町(南雲都撮影) 先の大戦で命を散らせた旧日本軍の特攻隊員を「創作落語」に仕上げた落語家がいる。知覧基地(鹿児島県南九州市知覧町)から飛び立つ隊員を描いた「明日ある君へ~知覧特攻物語~」を演じる三代目桂春蝶(しゅんちょう)さん(40)。今年は戦後70年。「戦争を経て平和がある現代の命の尊さ」を伝えたいという。(今村義丈) 「日本の未来をお前に託したぞ! この国の未来をよろしく頼むぞ!」 7月10日、奈良県王寺町。高座に上がった春蝶さんが演じたのは、命と引き換えに出撃する特攻隊員が現代の若者に思いを託す場面。観客は涙をぬぐって引き込まれた。 死に際にある祖父をベッド脇で看病しながら眠り込んだ現代の若者が目を覚ますと、周囲は飛行場。そこへ軍服姿の隊員が近づき、語りかけてくる-。約30
本紙正論メンバーで第1回正論大賞を受賞した英語学者・評論家で上智大名誉教授の渡部昇一(わたなべ・しょういち)氏が17日午後1時55分、心不全のため東京都内の自宅で死去した。86歳だった。葬儀・告別式は親族で行う。喪主は妻、迪子(みちこ)さん。後日、お別れの会を開く。ここ数日、体調を崩していた。 昭和5年、山形県鶴岡市生まれ。上智大大学院修士課程修了後、独ミュンスター大、英オックスフォード大に留学。帰国後、上智大講師、助教授をへて教授に。専門は英語学で、「英文法史」「英語学史」などの専門書を著した。 48年ごろから評論活動を本格的に展開し、博学と鋭い洞察でさまざまな分野に健筆をふるった。51年に「腐敗の時代」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。同年に刊行された「知的生活の方法」は、読書を中心とした知的生活を築き上げるための具体的方法を論じ、100万部超のベストセラーとなった。
「徳を積む」「徳が高い」というように、人として身につけておきたい態度や教えなどがある。それを分類、整理したものが徳目である。 明治23年に発布され、その徳目を示した教育勅語に対する誤解が相変わらずあるようだ。 政府はこれを学校の教材として扱うことについて、憲法などに反しない形で用いることは「否定しない」という答弁書を示した。これに対し、「軍国教育への回帰だ」などの批判が相次いでいる。 徳目には、時代を超えて流れる教育理念として、改めて読みとるべきものも多い。不当な評価は見直すときである。 政府答弁書は、教育勅語を「教育の唯一の根本」とするような指導は不適切だとも述べている。 教育勅語それ自体は、現行の中学歴史や高校の日本史や倫理の教科書に登場する。天皇中心の国家観を支え、戦中に戦意高揚に使われたなどと、批判的に位置付けるものが少なくない。 これは、編纂(へんさん)過程を無視した誤解に基づく
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