経済のみならず、行政においても、韓国や台湾が日本の上を行く部分があると感じるようになって、随分と経つ。しかし、感染症対策で「韓国や台湾ができるのに、なぜ、日本はできない」と叫ぶ人を見ると、「すべてにおいて、日本は上のはず」という驕った前提を、未だに改められず、20年続けた緊縮のために、日本は、経済も行政も、隣国に置いて行かれているという情けない現実を認められないのだと思う。 ……… もし、給付つき税額控除の仕組みがあって、日常的に国民に還付する状況であったなら、コロナ禍で10万円を給付することは、すぐにもできただろう。税・社会保険料と結びついているから、一定の所得以下の人に限ることも簡単だ。緊縮と産業政策ばかりで、まじめに再分配に取り組まず、社会インフラとしての行政を疲弊させてきたから、他国ができることもできない。衰退途上の遅くれた国なのだから、できないのは当たり前である。 遅行国の現実を