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研究と増田に関するanguillaのブックマーク (11)

  • かつて人文系の博士号は功成り名を遂げた大学者がもらう勲章のようなものだった

    最近、中東イスラム研究者の池内恵氏が博士号を持っていないことが、X上で話題になっていた。やたらに博士号を持っている側を持ち上げたり、あるいは逆に博士号は重要ではない、実績を見よ、と反論していたりするのが目に付く。 だが、博士号に関しては議論の前提が違う。かつて、そもそも日の人文系の博士号はレジェンド級に希少であり、真っ当な研究者でも取得できないのが普通だったのだから。90年代以前の人文系の研究者の大部分は、博士課程で博士号を取得することはできないと認識していただろう。 その様相が変わって学位取得が適正化されたのは、池内氏が学部生、院生として過ごした90年代から2000年代にかけてのことだ。池内氏はその変化の恩恵?を授かれなかった狭間の最後の世代なのだと思う。 その点に触れている投稿がなかったので、メモしておこうと思う。 人文系の博士号の取得について認識の齟齬が生じる原因は大きく二つだ。

    かつて人文系の博士号は功成り名を遂げた大学者がもらう勲章のようなものだった
    anguilla
    anguilla 2023/11/20
    ラジ先生も同じことを言ってたなぁ
  • 「日本語の原郷」についての論文を読んでみた

    歴史言語学についてはまったくの素人だけど、最近話題になった「日語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表 | 毎日新聞」(はてブ)っていう記事の元になったロベーツらの論文(Robbeets et al. 2021)を読んでみたよ! 結論うさんくさい 前提知識共通の祖先を持つことが証明された言語の集団を「語族」という日語は琉球諸語と共通の祖先を持つことが明らかである(日琉語族;Japonic)しかし日琉語族と他の言語との系統関係は証明されていない内陸アジアのテュルク語族、モンゴル語族、ツングース語族、そして欧州のウラル語族は特徴が似ているかつて、テュルク・モンゴル・ツングース・ウラル・日琉・朝鮮の諸語族が「ウラル・アルタイ語族」に属するという説があったが、結局誰もこれらの諸言語が共通の祖先を持つという証明ができなかった今回の論文は、テュルク・モンゴル・ツングース・日琉・朝鮮諸

    「日本語の原郷」についての論文を読んでみた
    anguilla
    anguilla 2021/11/22
    どうみても素人じゃない増田w
  • コロナ禍のおかげで理論研究がめっちゃ捗る

    anond:20200827235740 新型コロナの影響って,ほんとに学問分野によって違いが大きいよね. フィールドワークができない,遠隔地の紙資料にアクセスできない,密を避けた実験室のスケジューリングを考えると泣きそう \(^o^)/ とか,大学内の多くは阿鼻叫喚の模様. 大量のオンライン教材も急遽準備しないといけなかったり,忙殺されてる先生方もたいへん多い. そんななか,大学の片隅で理論研究をやってる身からすると,ここ最近は研究がめちゃくちゃ捗ってしまっていて,なかなかに後ろめたい, まず,なによりも在宅ワークと理論研究の相性がたいへんよろしい.研究室に居ると,やれ訪問者だ,電話だといって,まとまって集中する時間がなかなか取れない (脳内に置いてた数式とイメージが消えちゃうこともしばしば.お願いします,邪魔しないで (;_;) ) 在宅ワークでは窓口がメールに一化されているので,こ

    コロナ禍のおかげで理論研究がめっちゃ捗る
    anguilla
    anguilla 2020/08/29
    なるほど。捗る分野もあるのか
  • コロナウイルスがもたらす日本の人文学の危機

    コロナで人文学がヤバい。 といっても哲学とかそういうのじゃなく、歴史学とかがヤバい。 もうちょっと言うと、日史とか日文学とかはぜんぜん大丈夫なんだが、西洋史とか東洋史とか、要するに外国のことを調べる学問がヤバい。 今はまだ大丈夫だけど、じきに破綻する。 なぜかといえば非常に単純な話で、研究を進める上で必要な資料にアクセスできないからだ。 歴史学の根は、オリジナルな資料(=一次史料)にあたることにある。一次史料には色々な形態があるわけだが、歴史上の出来事の背景とかを実証的に調べようと思ったら、公文書館にある史料を使うことが不可欠だ。 そして公文書館というのは行政機関なので、日の国立公文書館や外務省外交史料館が東京にあるように、あるいはイギリスの国立公文書館がキューにありアメリカの国立公文書記録管理局がワシントンDCにあるように、当然ながらそれを管轄している国や地方自治体に設置されてい

    コロナウイルスがもたらす日本の人文学の危機
  • 文系の学問における注と参考文献の話、補遺

    「文系の学問において資料の実在を証明するものとは何か」(anond:20190510230425)についたブコメに応答&補足説明します。 参考文献と注は違うよ!Wikipediaですら参考文献を求められるので、参考文献(ここで言っている注)のないはある意味でWikipedia以下の信頼性と考えられても仕方がないことを多くの人に知らせるべきだと思う。 参考文献と注は違います! ぜんぜん別です! 参考にしたを並べてあるのが参考文献(厳密にはこの場合「参考文献一覧」)で、文中の記述の出典を直接明らかにするのが注です! 参考文献と注については、以下の4つの組み合わせが考えられます。 a)参考文献も注も揃っているb)参考文献はあるが、注はないc)参考文献はないが、注はあるd)参考文献も注もないこのうち、研究書として許されるのはaとcだけです。ここで問題にしているのはbとdで、多くの学術的な新書

    文系の学問における注と参考文献の話、補遺
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    anguilla 2019/05/11
    良い。
  • 文系の学問において資料の実在を証明するものとは何か

    久々にビッグな研究不正のニュースktkr! ということでキリスト教思想史研究やってた人が研究不正で懲戒解雇された件について、報告書に目を通した上でちょっと書きます。 今回調査委員会が被告発者に求めたのは、以下の項目でした。 カール・レーフラーの実在を証明する一次資料の写しと説明文書カール・レーフラーの論文「今日の神学にとってのニーチェ」の実在を証明する一次資料の写しと説明文書トレルチ家に属する借用書や領収書等の実在を証明する一次資料の写しと説明文書この「写し」というのはどういうことでしょうか? 資料そのものを調査委員会が求めなかったのはどういうわけでしょうか? 歴史学者にとっては常識なのですが、他の分野の人にとってはどうかわからないので、解説してみます。 そもそも文系はどんな材料を使って研究してるのかこれは人というか研究分野によるので、安易なことは言えません。文学と哲学と社会学と人類学と歴

    文系の学問において資料の実在を証明するものとは何か
    anguilla
    anguilla 2019/05/11
    めっちゃ面白い
  • 研究者の食い扶持に関して

    幾つか報道になってた「研究をしてきたんだけどつける職がない」問題。 ブコメを見てると「とんでもない」「これじゃ国が滅びる」「救済すべき」って意見が多い。 自分は、この件に対してまだ確固たる意見を言えるほどの知見を保ってないと感じるので意見の決定を保留している段階なんだけど、みんなはなんで上記のような結論に至ったんだろう? もうちょっと説明すると、「研究をしてきたんだけどつける職がない」問題を「nに打ち込んできたんだがnではい扶持を稼ぐことができない」と問題拡張した場合、みんなの意見は変わるのか変わらないのかに興味がある。 変わらないのだとすれば、「研究者にはい扶持を与えるべき」ではなくて、ただ単純に「万民にBI」みたいな話でいいんじゃなかろうか? 人間なんかしらには打ち込んできたんだろうし。 変わるのだとすれば、nの貴賎(この場合数あるnの中でも研究は尊いのでい扶持を与えるべきだとい

    研究者の食い扶持に関して
  • 研究者が自殺したニュースで本当に胸が痛いんだどうしよう

    現役の博士課程の学生です。件のニュースを朝見てからというものの、実験中でも、資料作りしてる時でも、事中でも、ふとした瞬間に胸がドキドキとなってしまって、気が落ち着かない。 昨年の、九大での焼身自殺もショックだった。最初は事故っぽかったのが、実は……って分かった時も同じだった。意味も無いのに不安で不安でたまらなかった。 ちなみに私は理系だ。その時点で、置かれている状況は上記のお二人とかなり違うのは事実でしょう。多分、文系院卒に比べたら潰しがききそうな分、「諦めやすい」とは思う。でも、きっと私なんかよりもはるかに優秀で、研究能力があって、情熱もあっただろう人が、自死を選んだ。その事実が、同じアカデミアで息を吸っている人間として、とても哀しくてたまらない。冷静に考えれば、アカデミアに限らず、未来の暗い業界なんてそこらに溢れてて、残念なことに時たまにそういう人は出るものだ。取り立てて深刻に受け止

    研究者が自殺したニュースで本当に胸が痛いんだどうしよう
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    anguilla 2019/04/11
    国家の損失だよなぁ
  • 任期切れた助教はどこにいくの

    どこに行くんだろうか。いまこうして自身がその身になってみて、僕自身が一番それを知りたい。 この年度末で任期が切れる。 5年。長いと思っていた。 自分の能力の割に良いところに就けた。この次はテニュア職だ。准教授だって狙ってもいいかもしれない。そんなことまで思っていた。 今、思えば滑稽だ。 助教と言ったっていわゆる特任助教だ。ポスドクに毛が生えたようなものなのはわかっていた。更新もない。 そうはいっても身の丈にあまる場所での職位、精一杯背伸びして研究も教育にも力を注いだ。 講義だって持ったし学生の指導だってやった。 自分で外部資金取ってきて、論文だって毎年筆頭をひとつは出したさ。 同じ部局の同年代と比べて遜色ない程度にはやったんじゃないか。 すこしくらい自分を褒めてもバチは当たらないんじゃないかな。 とはいえ任期切れは容赦なくやって来る。 公募もずいぶん出した。北から南、東から西。ときには海の

    任期切れた助教はどこにいくの
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    anguilla 2018/03/31
    つらいな…
  • 「イノベーション利権」の勃興

    今にして思えばSTAP細胞事件が典型的だったと思う。妄想(ゆめ)を語る研究者に対する人々の期待がバブルのように膨らみ、マスコミや業界紙はそれをさらに煽るべくショーアップする。結果として、彼らの下には多額のカネが集まってくる。 結局、そのバブルは弾けて水泡に帰した。しかし、来、科学的研究などというのは失敗してナンボのものであり、提案された成果の追試が成功せずに認められないことは珍しくない。STAP細胞も、そのような失敗した研究の一つとして粛々と科学史の闇の中へと消えていく程度の話であったはずだ。 しかし、現実には有名研究者であった副センター長の自殺という衝撃的な結末を迎えた。何が、彼をそこまで追い込んだのか? 翻って今回の場合、齊藤氏とその技術者チームが開発したスパコンはGreen500で四位という立派な成果を出したのであり、その技術力は虚像ではない。だが、その発言が非常に危ういものであっ

    「イノベーション利権」の勃興
  • 現役工学系教授からみた日本の大学の惨状

    次の記事が話題になっているから、勢いで書いてみる。あまり推敲はしていない。 英科学雑誌 日の科学研究の失速を指摘 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170323/k10010921091000.html 40代。国立大学工学系の教授。 30代に成した業績が評価されて、30代後半には学部でもっとも若くして教授になったくらいだから、自分で言うのもなんだけど、優秀な部類だと思う。 いや、優秀だったと、過去形で書くべきか。 この日の科学研究の失速は、なるべくしてなったものだ。 なによりも重要な「研究時間」の減少がひどすぎて目も当てられない。 僕自身の論文生産性も低下の一方で、今後、以前のようにまた増えるなんてことは、まったく想像できない。 natureで言われている研究費減少の影響も大きいが、まずは研究時間が無いことにはどうにもならない。 そして、意外と大事な

    anguilla
    anguilla 2017/03/24
    もったいない…。
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