9月3日に総裁選不出馬を表明する直前、菅義偉首相は「文藝春秋」の単独インタビューに応じていた。聞き手は船橋洋一氏(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)。船橋氏が最初に問うたのは、総理の言葉の問題だった。 ――総理の記者会見については、「言葉が響かない」「聞かれたことに答えていない」などの声も聞かれ、評判は必ずしも芳しいものではありませんが、どのように受け止めていますか。 「これには本当にいろんな方々から電話が来て、厳しいことも含めていろんなことをご指摘いただきました。それら全てを謙虚に受け止めるべきだと思っています。私自身、もともと能弁ではないし、そもそも政治家は『弁舌よりも結果だ』と。結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で今までずっと来たので、そういう考えが会見の姿勢に出てしまっているのかもしれません」 そして菅首相は、反省の言葉を口にした。 「しかし正直な話をすれば、総理