第3次ブームを迎えていると言われる人工知能。その歴史は実はかなり長いのをご存じでしょうか。その成り立ちを振り返りながら、人工知能の未来を探っていくことにします。 人工知能の「有史」以前 その歴史は、「人工知能」という言葉がまだ生まれていない時代に始まります。1600年代にフランスの哲学者ルネ・デカルトの「機械論」が提唱され、一定の支持を受けていました(図1)。 機械論では、人間も含む自然現象を決定論的な因果関係のみで説明します。人間の知能も複雑な動きをしますが、決定論的な因果関係のみで説明できる、としています。つまり人工知能の可能性もあるわけです。 1940年代にコンピュータが発明され、それに伴って人工知能に関する研究も萌芽していきました。この1940年代には、アメリカの数学者ウォルター・ピッツと神経生理学者ウォーレン・マカロックによって、「ニューラルネットワーク」のベースとなる人工神経細