米国の報道各社は大統領選をめぐって、先進的なテクノロジーやビッグデータなどを駆使した。しかし、こうした努力をしたにもかかわらず、またしても同国のジャーナリズムを救うことはできなかった。 メディア全体が、何が起きているのかを見誤った。それは空前絶後のストーリーだった。ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を見事に出し抜いて大統領の地位を手に入れるとは、誰も予想していなかった。 11月8日夜に明らかになった失敗は、投票結果を見通せなかった点にとどまらず、有権者の多くが湧き上がらせていた怒りを汲み取れなかったことに関するものだ。こうした有権者は、景気回復に取り残され、雇用を脅かすと彼らが見ている通商合意に裏切られたと考え、ワシントンやニューヨーク市ウォール街、主流のメディアから蔑まれていると感じていた。 現実を見ていないのはメディアの方だった ジャーナリストたちは、トランプ氏の当選は絶対に