政府は使用されなくなった携帯電話を回収して、金やプラチナなど希少金属を取り出す仕組み作りに着手する。携帯電話には金やプラチナ、パラジウムといった高価な希少金属が含まれていることから「都市鉱山」として注目を集めているが、回収される携帯電話の台数は減少傾向が続いている。このため、リサイクルを義務付ける商品に携帯電話を指定して、携帯電話事業者やメーカーに自主回収を促す方針だ。【古田信二、柳原美砂子】 政府の試算では、1億台の携帯電話を回収すれば、約3.2トンの金を取り出せるという。携帯電話で使われるプラチナなどの希少金属は各種電子部品などにも必要な材料だが、世界の特定の地域でしか産出しないため価格が高騰しやすい。ハイテク製品を大量に生産する日本にとって、リサイクルは不可欠だ。 しかし、電気通信事業者協会などによると、古い携帯電話の回収は00年度の約1361万台をピークに減少し、07年度は約6