12月18日、東京で日豪首脳会談が行われ、安全保障分野で両国が協力を深めていくことが決まった。両国は中国の脅威を重視し、中国との軍事的な対峙も決意している点で共通している。他の多くのアジア諸国が対中融和を優先する中、お互いに数少ない同盟国候補であり、安保分野での協力深化は妥当な結論だ。 特に日本とオーストラリアは、中国の外洋海軍力への問題意識で完全に一致している。焦点となっている南シナ海問題でも中国による内海化を防ぎ、航行と上空通過の自由を最優先するスタンスである。 しかし、両国の間に大きなリスクが存在している。それは日本が進める南氷洋における調査捕鯨だ。これは百害あって一利もないものであることを後述する。 オーストラリアにとって南シナ海が防衛の第一線