世界遺産に登録されている「毛越寺(もうつうじ)」(平泉町)で岩手大学平泉文化研究センターが8日から、浄土庭園を3D(立体)画像として記録する作業に取り組んでいる。 レーザー光線で1秒間に100万点の測定が可能な「3Dレーザー・スキャナー」という最新機器を使って、地形や木々などのデータを収集する。集めたデータで形を再現し、その上に写真を貼り付け、3D画像を完成させる。作業は数か月かかる見通し。 画像は、自然災害などで損壊した際の修復や、庭園の木を伐採した際の景観変化などの予測に役立つ。さらに、大泉が池に浮かぶ中島から周囲を見渡す景色といった、実際には立ち入れない場所からの画像も提供できる。 センターは昨年度、世界遺産の「無量光院跡」の3D画像を完成させている。平原英俊教授(分析化学)は「東日本大震災の津波などで消滅した史跡も少なくない。3D画像を記録として残し、世界遺産の保存に役立てたい」と