タイラー・コーエン「大停滞」。今年話題の経済書だとか。 「イノベーションの停滞」という観点からアメリカ経済低迷を説いている。 近年のイノベーションは「公共財」ではなく「私的財」の性格が濃く、 恩恵が万人に行き届かず、一部の人しか恩恵を享受していない。 投資家のみなさんはよくご存じ、金融イノベーションがその代表例。 ここ20年で目を見張るほど進歩したインターネットはどうだろう? 著者は2つの点で、経済面では期待はずれのイノベーションと説く。 1. インターネットはGDPの成長につながらない インターネットが私たちの生活・思考に及ぼす影響の大きさを考えると、 GDP増加への寄与度が低い。(=無料サービスが多いから) 1回つぶやくよりも、バナナ1本購入するほうが、GDPを押し上げる。 2. インターネットには雇用を生み出す力がない 20世紀前半、フォードやGMが成長した時は、何百万もの雇用を創出