著者 柳下裕紀(Aurea Lotus代表取締役) 金融財政事情研究会 2200円 企業の本質的将来価値見極め 運用職人が分析する投資術 本書は、主要な株式投資スタイルの一つである「バリュー投資」に欠かせない企業価値分析を取り扱ったものである。バリュー投資とは、証券の本質的価値と市場価格との乖離(かいり)に着目した投資手法であり、一言で言うと「株の価格ではなく、あくまでも企業の価値」を重視する。一般的な手法では、企業の純資産を株価で除した株価純資産倍率(PBR)といった会計情報を基準に、それと株価を比較して割安な銘柄に投資するのがバリュー投資とされている。 一方、企業の利益成長性に着目して、成長が見込める企業を選ぶスタイルをグロース株投資と呼ぶ。ファイナンスの実証研究では、このバリュー株は、長期間でみればグロース株よりも投資成果が高いとされてきた。それだけに、バリュー株投資家は、株式市場で