2012年01月19日20:30 カテゴリ書評/画評/品評Love 全ての王に - 書評 - 黄金の王 白銀の王 角川書店岸山様より献本御礼。 黄金の王 白銀の王 沢村凜 日本語で「感動」というように、英語でも"moving"という。 あえてmoveすることを選ばなかった二人の王が、もっとも読者をmoveするというのはなんというパラドックスであろうか。 私が日本からmoveすることを選んだ四半世紀前ではなく、今本書に出会えたことに感謝する。当時の私にこの廸(みちび)きを受け入れられるはずはなかったから。 本書「黄金の王 白銀の王」は、虚構である。「この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです」的な意味で。しかしどうしてだろう。いかなる事実の列挙より虚構の方が、上手に読者を真実へと廸(みちび)いてくれるのは。 カバー背より 二人は仇同士であった。二人は義兄