今、発達障害のある子どもたちが増えている。学校でその可能性を疑われ、受診を促されて病院に行こうとすると数カ月待ち、予約が取れないということも珍しくない。特別支援学級への編入可否の判断や、学校・自治体で必要な支援を受ける場合も診断書が必要であることがほとんど。また、発達障害だけでなく精神障害や摂食障害、不登校なども増加しており、児童精神科のニーズは増える一方、その窓口自体が少ないという。その現状と課題について、国立国際医療研究センター国府台病院児童精神科診療科長の宇佐美政英氏に話を聞いた。 児童精神科を受診する子どもの疾患で発達障害の次に多いのは?【表】 学習面や行動面に困難さがあるなど、発達障害の可能性のある小・中学生は8.8%、11人に1人程度在籍している――。2022年に文部科学省が公表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」結果は、世の中に大きな衝