服をどこで買うにしても、できるだけ人や環境に配慮した“エシカル”な服を選びたいものだ。しかし、エシカルファッションの定義は多岐にわたり、製品の認定や認証を行う機関も複数あり、エコを装ったマーケティング戦略やうわべだけ取り繕った“グリーンウォッシング”な企業も存在するので、実際はそう簡単ではない。 オーストラリアで2018年に成立した「現代奴隷法(modern slavery laws)*1」は、消費者のエシカルファッションの意識に影響を及ぼしているのか。メルボルン大学で文化研究に関わるハリエット・リチャードとナターリャ・ラスティの調査を紹介しよう。 *1 現代において、事実上の奴隷状態となっている労働環境を是正する法律。 参照:オーストラリア版現代奴隷法(2018年)について 調査には100名以上が参加、うち22名にはZoom経由でインタビューを実施した(2020年7〜8月)。すると、アパ