「えっ! いつもスーパーで買っているあの卵が?」と衝撃を受けた方も多いのではないか。 「森のたまご」「伊勢の卵」で知られる鶏卵業界トップのイセ食品(東京都千代田)が、債権者から会社更生法を申し立てられた。同社は自社ブランドだけではなく、「ライフ」など大手スーパーのプライベートブランドの卵製品なども多数生産しており、まさしく日本人の食卓を支えていると言っても過言ではない。 しかも、イセ食品はわれわれ日本人が大好きな「世界に誇る日本企業」でもある。1980年に米国に進出すると大型M&Aを繰り返してまたたく間に販売網を広げて、84年には合計生産量、販売量とも全米1位となる。現在は中国、インド、ASEANにも拠点を広げて、2021年6月末に退任した前会長兼社長の伊勢彦信氏は「世界のエッグキング」としてその名を轟(とどろ)かせてきた。 ちなみに、伊勢氏は世界屈指の美術品コレクターとしても有名である。