フランスの大手不動産会社Empruntisの調査によると、パリ首都圏の住人で地方への移住を夢見る人は54%と半数を超えている。フランス消費動向戦略研究所ObSoCoが実施した調査によれば、大都会に住む人々(パリや地方都市部の住民では78%)が田舎の孤立した村に住むことを夢見ているという。この傾向はコロナ禍で顕著になった。 フランスはもともと週末を別荘で過ごす人が多く、フランス国立統計経済研究所(INSEE)によればフランス全土に約340万の別荘が存在し、全住宅の1割を占める。それが新型コロナウイルスの感染拡大で外出禁止やリモートワークが増えたことで田舎暮らしを決断する人は増えている。 フランス南西部のペイ・バスクに引っ越したIT系企業で働くブノワ氏は「浜辺まで歩いて10分なので、毎日、夕方は2人の小さな娘を連れて浜辺で過ごしている」という。パリに25年間住んだ彼は「最初は田舎暮らしに自信が