海に囲まれ貿易で栄えた日本の近代は、通信と電子機器の進歩なくして語れない。その歴史を伝えるのが、国立電気通信大学の博物館「UECコミュニケーションミュージアム」(東京都調布市)だ。NECのパソコン(PC)「PC-6001」や米国コリンズ・ラジオ(現コリンズ・エアロスペース)の「KWS-1」など名機を展示する。詳しい取り組みを知るべく記者が1日に訪れた。 【関連写真】1903年に日本海軍が採用した「三六式無線電信機」 「多数の展示品が稼働可能な状態なのが特徴」。展示品を前にそう胸を張るのは、三橋渉学術調査員・名誉教授だ。専門知識を持つ学術調査員が修理や部品交換に努め、実際に稼働する展示物から学生が学べるようにしている。 展示室に入るとまず出迎えるのはペリー提督が徳川幕府に献上した日本初のモールス電信機の復元品。もっとも当時の幕府には「モールス信号をよく知るものがいなかった」(三橋名誉教授)と