必須アミノ酸の一つ、トリプトファンを多く含むようにした遺伝子組み換え飼料用稲の試験栽培=茨城県つくば市の農研機構・作物研究所 (草下健夫撮影) 40年後に世界の人口は現在の68億人から90億人に膨れ、食糧難が避けられないといわれる。農産物の生産性を高めようと遺伝子組み換え作物の研究が国内外で進んでいる。生産性は食料自給率にもかかわる問題だが、組み換えには消費者の不安も根強いのが現状。研究者は「一般の人に組み換えか、非組み換えかを選ぶ権利がある。情報提供や議論を通じ、技術への認識が深まってほしい」とアピールする。(草下健夫)考える契機を 独立行政法人「農業生物資源研究所」(茨城県つくば市)にある見学用の圃場(ほじょう)の一角に、特定の除草剤に耐えるようにした遺伝子組み換え大豆が展示されている。除草しない区画は雑草だらけだが、特定の除草剤を撒(ま)いた区画は雑草もなく、大豆がすくすくと育ってい