ナチス宣伝相の秘書が残した最後の証言「私に罪はない」の怖さ

顔に、手に深く刻まれた皺が激動の半生を物語る。ブルンヒルデ・ポムゼル、103歳。ナチス・ドイツでプロバガンダを管轄した宣伝相・ヨーゼフ・ゲッベルスの元秘書である。彼女が自身の半生とナチス時代を証言した映画『ゲッベルスと私』が6月16日より岩波ホールで公開される。来日した監督は言う。「これは過去の映画ではない。現代の映画だ」 2018年5月、新宿・紀伊国屋書店――。クリスティアン・クレーネス、フロリアン・ヴァイゲンザマー両監督とハフポスト日本版・竹下隆一郎編集長らによるトークイベントが開かれた。映画封切り前、同時に刊行される書籍版もまだリリースされていないにも関わらず、会場は満員となり関心の高さをうかがわせた。

[REV]

タイムマシンがあっても、1930年のドイツ人に「ファシズムに対抗するために不況と失業を甘受せよ」とは言えないし、タイムマシンがなくても言えない。

[LawNeet]

周知の通り、欧米諸国ではナチスに対して肯定的意見を発信することは、それ自体が犯罪とされている。そういった法文化のもとで、「一方的に悪者とせずに」フィルムを撮ることは可能なのだろうか。

[chintaro3]

　本質的には何も変わっちゃいないと思う。ドイツも日本も。

[unagiga]

ドイツがああなったのは、一次大戦の賠償をドイツ国民に重くかけたヨーロッパ全体の問題があって、結果EUが生まれたのに全部ナチ党のせいにしてるとまた同じ過ちを起こすのではと危惧してしまう。

[tohokuaiki]

社会上の罪と倫理上の罪が混在してしまうと「私は悪くない」になって受け手も混乱する。社会上は悪くない。倫理的に許せないだけだろう。ただ倫理的に善であろうとすると実際には身の危険しかない状況でどうすれば？

[iteau]

実際、罪はないと思うけど。何の罪？　sin と guilty を混同してない？ sin であれば、当時に生きていない人に何が言えるのよ。敢えて言うならフランス人のせいだと思っている。

[RIP-1202]

その時代に生きた人みんな、本心では自分は被害者と思ってるんじゃないかな。なんなら、ヒトラー本人でさえ。

[pollyanna]

「勇気を持って、危険な人生を送れ！」にしても「倒れるときは前のめり」にしても、自分の生き方を何かの（誰か他人の）スローガンに託して、思考を停止してしまったら終わりだと思う。

[prdxa]

「すべての仕事は人間の良心を麻痺させるために存在する。仕事とは宗教なのだ」という虐殺器官（伊藤計劃）の一節が思い出される。

[nemuiumen]

当時の人も現代の人も、同じような状況に放り込まれれば似たようなことをやるだろう。ナチは悪の権化であり、自分たちとは全く違う存在なんだと規定するような態度は良くない。

[ssuguru]

ちょーこええ

[umeten]

本当に素晴らしい。正にその通り。“彼女は言う。罪があったとするならば、「私」ではなく「ドイツ国民」である。ナチスに政権を取らせたのは、ドイツ国民全員であり、「私」もその1人だったと。”

[dayou]

万人を赦せ、悪の凡庸さよ。

[deep_one]

「体制から逃れることなんて絶対にできない」＝「私に罪はない」である事は容易に理解できる。／だから「やばい体制」が確立する前にどうにかするのが重要なのだが、既に世界中がやばい体制になってる気がする。

[georgew]

かつてアイヒマン裁判でハンナ・アーレントが悪の凡庸さを喝破してみせた件と重なるのでさほど驚きはないけど非常に難しい倫理哲学的な問題。我々現代人は事後的になんとでも言えるからね。

[tal9]

凡庸な悪

[netafull]

“ゲッベルスの演説には今でもよくあるの言葉が溢れている。「勇気を持って、危険な人生を送れ！」。 リスクを取って人生を豊かにせよと説く自己啓発本のような言葉に多くのドイツ人が酔った。”

[MyPLB]

ナチスに対して「何もしなければよかったのに」「黙っていれば死なずに済んだのに」と語る/ ここに彼女の人生哲学が現れています。彼女は何も言わずに、口を閉ざす。だから彼女はここまで長生きできたのではないか

[vanbraam]

これ実は"強い人"論の1つの表象だと思う.こういうのを社会や運や神のせいにして自分に罪はないとするのは,自覚した個の放棄に等しい.自分の弱さを肯定しても,弱さに由来する行為の責任は負う強さがほしい

[Cichla]

「何が悪かった」って運が悪かった / 個人的には，「成人には自身の言動に対する責任能力がある」というのはひどい建前だと思っている。ある事にして定期的に見せしめに処罰しないと社会が運営できないだろうけども

[sdfg158]

“彼女には矛盾した2つの姿がある。”

[maicou]

こういうの見てると自分の中に必要なのは「確固たる主観」だと思うけど、それをどれだけの人が人生の中で得ることができるのかって話やな。

[iww]

『口調をやや強めて、カメラの前でこう言い切った。「体制から逃れることなんて絶対にできない」と。』 これがすべてだなぁ。 個人を責めてもしかたない

[kamezo]

映画『ゲッベルスと私』公開前トークショーでの監督らの発言など（映画は6月16日（土）より岩波ホールほかで公開）。

[rgfx]

一方本邦の財務省といい東京オリンピック予算といいクールジャパン予算といい。

[paravola]

（今だって右へ倣えの #MeToo だし）もう一つ彼女の感情が垣間見えたシーンがあった。「自分なら抵抗できた」「体制から逃れることなんて絶対にできない」

[kurokawada]

罪とは何か。志願兵なら有罪で徴兵なら無罪ということか？　アイヒマン中佐みたいな言い逃れ不可能な責任者なら有罪だろうが、宣伝大臣の秘書はどうなのか。

[quick_past]

「そのままでいい」「君は間違ってない」という、ポップスに蔓延する、自己肯定欲求への穴埋めソングみたいな歌詞は、それを求めてる誰かのからっぽさを見抜いてるんだろうなあ。

[bt-shouichi]

「自分なら抵抗できた」と簡単に言うことに対し「体制から逃れることなんて絶対にできない」と断言するシーンは予告編でも使われてたな／それにしてもこの映像の質感はどういう意図なのか

[amematarou]

日本からの視点しか持てないが、当時の暴走した内部を未だにあぶり出そうとするドイツ人に対して日本の無感覚さが悲しい。未だに公文書改竄廃棄をやってるし。

[elve]

宗教的な問題もあると思う。原爆も。「罪」ではないとしないと天国行けないとか

[meowcatwings]

とても“普通”だと思った。彼女は普通の人だし普通に起こりうる出来事・流れだなと。自分は「異常かも？」と疑問を持ったり「普通だよ」の雰囲気に抗える自信がない。

[greencoffeemaker]

“「勇気を持って、危険な人生を送れ！」。”、か。「痛みを伴う改革」と似ているな。体制に対して何もしないと言うことが、どんな結果になるのか見せつけられているようだ。今、観ておいてもいいんじゃないかな。

[natukusa]

アクト・キリングにも通じる話。

[UhoNiceGuy]

文脈等もあるだろうが竹下編集長の「悪人なのだろうか？」の問いは醜悪。ナチスを生まないためには「ナチスから学」ばなければならない。党員全てを糾弾して自分らと違う人達だったと安心することは何も生まない

[japonium]

勝てば官軍負ければ賊軍と如か謂い様が無い。

[yy00610106]

なるほど悪いのはナチス(or大日本帝国陸軍)、とか未だに言ってるのはかなり問題ある態度だ。この件については日本のがまだマシか。無反省はいつか同じ問題を引き起こす、もしくはもう起きているのかもしれない。

[mereco]

この秘書が「私が悪かった」って泣き崩れることを無責任な大衆が望んでいるというグロテスクさもあると思うな

[hagakuress]

アーレント再読案件。

[meganeya3]

こういう時代の波という運不運に翻弄されるひとを赦すのが左派であり、裁き断罪するクソマッチョな連中とは距離を置いてほしい