北海道の知床半島沖などで採取した大型のエビが新種と判明し、千葉県立中央博物館などが「ダイオウキジンエビ」と命名した。体長20〜25センチで、これほど大型のエビの新種は極めて珍しいという。 約220種が知られるエビジャコ科では世界最大。大きさや風格を感じさせる姿からキジン(鬼神)エビ属の「大王」と名付けた。 約30年前から新種とみていたが、標本の状態が悪く研究が進まなかった。水族館のアクアマリンふくしま(福島県)が2014〜15年、水深700〜1千メートルの深海で採集した標本などを分析し、眼の後ろに小さなとげがある特徴などが新種の決め手となった。 知床半島の羅臼町では「ガサエビ」と呼ばれ、美味で食用として親しまれてきたという。 同博物館の駒井智幸主任上席研究員は「日本沿岸に未知の生物がまだいることを示唆する象徴的な発見だ」と話している。(草下健夫)
2016年にデンマークで発見された隕石(いんせき)のかけら。デンマーク・コペンハーゲンの博物館で(2016年2月8日、資料写真)。(c)AFP/Scanpix Denmark / Emil Hougaard 【1月25日 AFP】約4億7100万年前の海洋生物の爆発的増加は、隕石(いんせき)が地球に降り注いだことが引き金で起きたのではないとする研究結果が24日、発表された。これは、現在の主流となっている学説に異を唱える結果だという。 スウェーデンとデンマークの研究チームによると、「オルドビス紀の生物大放散事変(Great Ordovician Biodiversification Event、GOBE)」として知られる生物種の急増が始まったのは、多くの隕石が地球に衝突した時期より約200万年前早いという。ただし研究チームは、GOBEの原因に関しては、代わりとなる説明を提供していない。 今回
カナダ・マニトバ州で、ハドソン湾岸を歩くホッキョクグマ(2007年11月13日撮影)。(c)AFP/Paul J. Richards 【1月20日 AFP】海洋動物の鳴き声か、外国の潜水艦か、それとも幻聴なのか──北極圏に位置するカナダ北東部の沖合で、海底から複数回にわたり奇妙な音が確認され、地元住民を困惑させている。異音の発生後に地域に生息する動物の姿が見えなくなったとの報告もあり、軍は19日、パトロールの実施とともに音響の専門家らを派遣し、調査を実施すると発表した。 異音が確認されたのは昨年末。イグルーリック(Igloolik)村に暮らす先住民イヌイット(Inuit)の猟師らが、北西航路(Northwest Passage)とハドソン湾(Hudson Bay)の間に位置するフューリー・ヘクラ海峡(Fury and Hecla Strait)の沖合でビープ音を複数回耳にした。 この海域で
米航空宇宙局(NASA)などが18日発表したデータによると、2016年の世界平均気温は前年を0.07度上回り、史上最高を記録した。 上昇幅は誤差の範囲内だが、記録を更新するのは3年連続。科学者らは、南米沖の太平洋で海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が影響したものの、人間活動による二酸化炭素(CO2)排出が主な要因だったと指摘した。
ダイエットで寿命が延びるかどうかを調べたアカゲザルの実験(米ウィスコンシン大提供) カロリーが適度に少ない食事をサルに長期間与えると、健康を向上させて寿命を延ばす効果がみられたとする研究結果を、米国立加齢研究所とウィスコンシン大の共同チームが17日付の英科学誌に発表した。「人でも同じ効果があるのではないか」とみている。 栄養不足にならない適度なダイエットで寿命が延びるかどうかは長年の論争の的だった。国立加齢研究所とウィスコンシン大はサルを使った研究で、2009年と12年にそれぞれ異なる結果を示していたが、互いのデータを分析した結果「寿命を延ばす効果あり」と結論を出した。 若いサルより高年齢のサルの方がカロリー制限による効果が高かった。
長い首と尾を持つ「竜脚類」と呼ぶ恐竜の仲間は地球に現れた最大の陸上動物といわれる。多くの種類が体長20メートル、体重10トンを超した。中には約40メートル、80トンに成長したと推定される化石も見つかっている。なぜ、ここまで巨大になったのか。成長が早い特殊な骨のでき方など、複数の特徴を併せ持ったからだとわかってきた。恐竜といえば、最強といわれるティラノサウルスや頭に3本の角を持つサイのようなトリ
世界自然保護基金(WWF)が東南アジアのメコン川流域で行った調査で、竜のような角を持つトカゲや虹色に光って見える頭を持つヘビ、独特の模様のイモリなど163種の新種が見つかった。多くはすでに絶滅の恐れがあるという。 中国とタイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオスにまたがるメコン川流域には熱帯雨林や湿地などが広がり、豊かな生物多様性で知られる。 WWFが昨年末にまとめた報告書によると、2015年の1年間に哺乳類3種、爬虫類(はちゅうるい)14種、両生類9種、魚類11種、植物126種の計163種の新種が確認された。調査は1997年から継続的に行われており、見つかった新種は計2409種に上る。さらに未発見の生物が多数存在すると予想されている。 メコン川流域は経済成長に伴う…
大移動することが知られているオオカバマダラ。メキシコのエルカプリンの保護区で(2005年11月26日撮影)。(c)AFP/MARIO VAZQUEZ 【12月23日 AFP】空を飛行して季節移動する昆虫の数を計測する世界初の調査で、毎年3兆匹以上の昆虫が、われわれの頭上を通過していることが分かった。英国の研究チームが研究論文を発表した。 健全な生態系で重要な役割を担う昆虫は、作物を受粉させ、作物につく害虫を食べ、鳥やコウモリの餌にもなる。 過去に類をみない今回の計測結果は、われわれの大半が決して目にすることのない昆虫の季節移動が非常に大規模な現象であることを示唆していると、専門家らは述べている。 論文の共同執筆者で、英エクセター大学(University of Exeter)のペンリン(Penryn)キャンパスにある生態系・環境保全センター(Centre for Ecology and C
ギガントピテクスのレプリカ。米サンディエゴ人類博物館にて撮影(PHOTOGRAPH BY ZUMA/ALAMY) 絶滅した類人猿ギガントピテクスは、かなりの大きさだった。化石から、身長は3m、体重は500kgほどだったとされる。 動物にとって、大きいことは有利だ。捕食者に食べられにくいし、食料を探すときにも広範囲をカバーできる。ギガントピテクスは、現在の中国南部にあたる熱帯雨林に600万~900万年にわたって生息していたが、今からおよそ10万年前、更新世の後期に絶滅した。原因は、気候が変化したなかで、この類人猿の大きな体が仇になったらしいことが、新たな研究でわかった。 「ギガントピテクスは、その大きさゆえに、大量の食料に依存していたと考えられます。更新世の間に、多くの森林がサバンナの草原に変化していきました。巨大な類人猿にとって、単純に食料供給が不十分だったのです」と、今回の研究を行ったド
【ワシントン=三井誠】約1億6000万年前のジュラ紀後期に生息していた小型恐竜リムサウルス(全長約2メートル)は、幼体にあった歯が成長するとなくなり、くちばしのように変わるとする研究成果を、中国科学院などの研究チームがまとめた。 現存の両生類などで成長に伴い歯がなくなる例は知られているが、恐竜で確かめられたのは初めてという。鳥は恐竜から進化したとされ、今回の成果は、鳥のくちばしの起源の解明につながる可能性がある。 研究チームは、中国北西部で見つかったリムサウルスの19個体の化石を分析。幼体では42本の歯があったが、成長するとなくなることが、確認できたという。幼体の時は小さな虫や植物を食べる雑食で、成長すると草食に特化したらしい。論文は米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。
チョウの「ゴマシジミ」が日本で絶滅の危機にあるのは、このチョウの幼虫が寄生する特定の種のアリが、里山の衰退で減ったためだと、大阪府立大などのグループが解明した。アリの生息環境を整えることが、このチョウの保全につながる可能性があるという。 ゴマシジミは国内では中部地方で特に数が少なく、環境省のレッドリストで「ゴマシジミ本州中部亜種」は絶滅危惧IA類。幼虫はシワクシケアリの巣に侵入し、春先にアリの幼虫を食べて成長する。体から特定のアリと同じ臭いを出して「自分は味方だ」とだましていると考えられている。 同大の上田昇平助教(進化生物学)らが、このチョウがどの遺伝子系統のシワクシケアリに寄生するか、北海道、東北、中部地方で99カ所のアリの巣を調べた。ゴマシジミは草原の土の中を好む系統のアリ、オオゴマシジミは朽ち木の中を好む系統のアリに寄生することがわかった。 ゴマシジミが減っている地域で…
宮城県気仙沼市の舞根湾周辺で確認された熱帯性のオジサン(京都大提供) 東日本大震災の津波で失われた海の生態系が、この5年でどのように回復してきているのかが宮城県気仙沼市の周辺海域の調査で分かったと、京都大と首都大学東京のチームが12日付の米オンライン科学誌に発表した。 大規模な津波後の生態系の変化について明らかにするのが目的で、漁業や沿岸整備に役立つとしている。 チームは2011年5月~今年、2カ月に1度、気仙沼市の舞根湾周辺の4地点で魚種、数、大きさを潜水調査した。 すると、津波直後に見られたのは大半が死んだ魚や小さな魚だった。津波で多量の土砂が堆積し、海藻が育たず、生息しにくくなったためとみられる。
鹿児島県三島村の黒島で、光合成をせず、つぼみのまま花が咲かない新種のラン科植物が見つかった。神戸大大学院理学研究科の末次健司特命講師が13日までに植物分類学の国際誌電子版に発表した。 末次特命講師は、この植物を「クロシマヤツシロラン」と命名。同様の特徴を持つ植物の発見は世界で数例しかなく珍しいという。 末次特命講師によると、クロシマヤツシロランは、光合成をする代わりに、共生する菌類から根を通じて養分をもらう「菌従属栄養植物」の一種。地上に出ている高さは約15センチで、黒色のつぼみを付けるが、つぼみのまま自家受粉するため、花を咲かせない。
全身が黄色の珍しいウシガエルを、埼玉県三郷市高州1丁目のカエル捕獲業大内一夫さん(82)が25日につかまえた。捕獲場所は水戸市の市街地の川。この道約70年という大内さんも「こんな色の獲物に出くわしたのは、過去に1~2回ぐらいしかない」と驚いている。 体長15センチほどで、目が赤みを帯びている。ウシガエルは通常、体は暗緑色で、目は黒色。埼玉県立さいたま水族館(羽生市)の大平信一飼育展示係長は「色素の欠乏とみられる。ニホンアマガエルでは報告例があるが、ウシガエルでしかもこれほど大きく育った例は聞いたことがない」と言う。 より詳しく調べてもらうため、大内さんは「大学の研究機関に提供したい」と話している。(中村純)
クマムシから発見した新しいたんぱく質に、ヒト培養細胞のDNAを放射線から守る働きがあったと東大などが発表。放射線を受けても、増殖能力を維持できるという。 東京大学を中心とする研究グループは9月21日、極限状態でも生きられるクマムシから新しいたんぱく質を発見し、ヒトの培養細胞のDNAを放射線から守る働きがあると分かったと発表した。放射線が強い環境でもクマムシが耐えられる謎の一部も解明したという。 クマムシは水がない環境では体内の水分を抜いて縮こまり、ほぼ完全な脱水状態の休眠に入る(乾眠)。乾眠状態では、さまざまな極限状態にも耐えられるという (c) 2016 Sae Tanaka, Hiroshi Sagara, Takekazu Kunieda. クマムシは、真空状態などの極限的な環境でも生き延びる1ミリ未満の小さな生き物で、ヒトの場合だと2人に1人が死に至る量の約1000倍(4000グレ
保存状態が非常に良いプシッタコサウルスの化石から、その体表が明暗のカムフラージュ模様になっていたことが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY JAKOB VINTHER, UNIVERSITY OF BRISTOL) 白亜紀前期の小型の草食恐竜は、腹をすかせた捕食者の目をあざむくために、カムフラージュ模様を身にまとっていたらしい。 研究者が保存状態の非常に良い恐竜の化石を分析したところ、その体色は背中側が濃い茶色で、腹側が薄い茶色になっていたことが明らかになった。現在の動物にも同様の濃淡のパターンが見られるが、恐竜でこうした模様が確認されたのは今回が初めて。科学誌『カレント・バイオロジー』に論文が発表された。 論文の共著者で英ブリストル大学の古生物学者ジェイコブ・ビンザー氏は、「この化石のように縞模様や斑点などの色のパターンがはっきり分かる恐竜化石は、ほかにありません」と言う。 1億
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