「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフ。無敗の三冠馬になったのも、七冠を達成したのも、日本の競馬史上、この馬が初めてでした。「ウマ娘」のシンボリルドルフが「レースでの実力、政治力、人格はどれも飛び抜けている」というキャラ設定になっているように、実際のルドルフも隙のないレースぶりで、まさに崇高な存在。1980年代半ば、海外への夢も見させてくれた最強馬を「東スポ」で振り返りましょう。(文化部資料室・山崎正義) ルドルフの強さとは 古い競馬ファンが口にする「ルドルフこそが史上最強」説。ただ、「どんなふうに強かったんですか?」と聞かれて、即答できる人は多くありません。で、しばらくして出てくるのは「とにかく負けない」や「憎らしいほど強い」といった、ぼんやりしたものばかり。ぶっちぎりとか、華麗な逃げ切りとか、豪快な追い込みをする馬じゃなく、勝ち方のインパクトが大きくなかったので、言葉で説明しづらいんですね