止まらなかった。 あの手この手で状況を打開してきた中京学院大中京・橋本哲也監督だったが、この日は効力を欠いた。 準決勝第2試合、中京学院大中京は準々決勝戦で17得点を挙げて勢いに乗る星稜打線を相手に次々と投手を送り込んだが、9失点を喫し0-9で涙を飲んだ。 「守りで仕掛けていかないと流れを呼び戻せないかなと思って早い回でつないでいきましたが、星稜さんはミスショットがなかった。本当に脅威でした」 橋本監督は、相手打線を称賛するしかなかった。 試合の流れを継投で変える、という発想。 とはいえ、今大会の彼らの戦いぶりは、甲子園に1つのメッセージを与えた。 それは、投手交代で流れを引き寄せる采配を全国に見せつけたことだ。 今大会の中京学院大中京は、エースの不後祐将が全試合に先発した。ゲームメイク能力に長けたエース左腕は、ほとんどの試合で自分の仕事をまっとうするピッチングを見せた。 ただ、2回戦で北