柔道をめぐっては、死亡や重い後遺障害が残る事故が全国で後を絶たない。一方で、平成24年度からは中学校で柔道などの武道が必修化される。そうした中、子供が柔道事故の被害にあった家族らが団体を結成して再発防止策の検討を進めたり、柔道団体が指導者向けの手引きを作成したりと、事故予防に向けた取り組みが始まっている。 愛知教育大の内田良講師(教育社会学)の調査によると、昭和58年から平成21年までの27年間に、中学や高校の授業やクラブ活動で108人の生徒が死亡。内田講師は「学校以外の柔道場や柔道教室での死亡者は含んでいない。潜在的な被害者はもっと多い可能性がある」と指摘する。実際、大阪市立伝法小の男児が亡くなったケースは柔道教室で起きた。 事故を未然に防ぐには、事故の実態を把握するとともに、事故発生のメカニズムを理解した指導者の育成が不可欠といえる。 柔道の練習中に亡くなったり、けがをしたりした