西部の漁業都市ベルゲンにある魚市場。氷の上に並ぶタラバガニは1kgあたり1万4000円。やはり物価は高い 「この国はとにかく人が少ない。だからサービスには人手をかけられず、おもてなしは期待できない。それに加えて、あらゆるモノがとても高く付く。日本とは大違いだね」 8月上旬、「特集 独り負け ニッポン漁業」の取材でノルウェーに1週間ほど滞在した。北極圏の街・トロムソの取材で1日を共にした、政府系漁業団体のノルウェー人スポークスマンの言葉が今もなお頭に残っている。 ノルウェーの人口は約500万人。同じ国土面積を持つ日本(1億2558万人)のたった25分の1しかいない。当然、スーパーに行っても店員はレジに1人か2人が待っているだけ。 高い生産性を支えるのは高い物価? そして、確かにノルウェーでは全てが高かった。ポテトチップスが1袋で500円。マクドナルドのセットは1500円。レストランでランチを
部屋の形などの地図情報が事前になくとも、カメラやLIDAR(レーザーレーダー)などの情報からロボットが自動的に周辺環境の地図を作り上げ(写真下)、同時に自己の位置も特定できる技術。「simultaneouslocalization and mapping」の頭文字を取ってSLAMと呼ぶ。自律移動型のロボットの場合、未知の環境や障害物に出くわす可能性が高いため、要となる技術と言える。 「サービスロボットは日本よりも中国の方が先行して普及」──。そんなシナリオが現実になるかもしれない。 レストランで配膳作業などを行うロボットを累計1000台以上も出荷している中国企業があることをご存じだろうか。中国全土200以上の都市の飲食店に配膳ロボットを提供するパンゴリンロボット(昆山穿山甲机器人、本社は江蘇省崑山市)だ。年間2万台ものロボット生産能力を持つ。 同社CEO(最高経営責任者)の宋育剛氏は「当社
風邪で会社を休む。2日ほど寝たら治ったが、せきだけが残っている──。そんな経験はないだろうか?風邪が治りきっていないのだろうと軽く考えがちだが、呼吸器の専門家である池袋大谷クリニック(東京都豊島区)の大谷義夫院長は、「2週間以上続くせきは風邪ではない」と指摘する。 風邪の原因は80~90%がウイルスで、残りが細菌による感染だ。ウイルスは2週間も生きられないので、それほど長く続くせきは風邪が原因ではない。長引くせきはいろいろな病気で起こるが、大谷院長は「最も多いのはせきぜんそくで半分以上を占める」と続ける。 風邪はのどより上の上気道に炎症が起こるのに対して、せきぜんそくは下気道の気管支に炎症が起きて過敏になっている状態。ちょっとした刺激で激しいせきが出てなかなか止まらない。 症状はせきだけで、胸に聴診器を当てても気管支ぜんそくのようなぜん鳴(ゼーゼーヒューヒューという音)は聞こえないが、「気
これからの経営イノベーションにはデジタル、データ、デザインの3つの「D」が欠かせない。2016年7月に新イベント「D3 WEEK 2016」を開催する専門誌3誌が、最新の企業事例やキーパーソンのインタビュー記事などで、その可能性を探ります。 連載第7回は、7月29日に登壇する大塚食品が取り組んだ、YouTube動画を活用したデジタルPR施策に迫ります。 レトルトカレーの代名詞、大塚食品の「ボンカレー」のテレビCMと聞いて思い浮かぶのは、松山容子か、ボンカレーゴールドの王貞治か、あるいは松坂慶子か。世代によって答えは変わろうが、いずれにしても有名人を起用したテレビCMを長年放映してきた、マス広告の象徴のような存在だ。発売から48年を数えるロングセラー商品である。 そのボンカレーが2013年に45周年を迎えて以降、テレビCMから撤退している。広告宣伝費を実に6割減らしたが、それでも売り上げは微
7億円もの1等賞金を巡り、2015年暮れも盛り上がった年末ジャンボ宝くじ。だが今、このコラムを見ている多くの人が、投資金額の回収すらままならなかったのは想像に難くない。それもそのはず、物の本によれば、年末ジャンボ宝くじで1等が当選する確率はおよそ100万分の1という。ただ、そんな確率論をいくらされても「人生は何があるか分からない。現実に毎年当選している人が存在する以上、もしかしたら自分にも奇跡が起きるかも…」などと妄想をしてしまうのもまた人間だ。だが、ここに、「宝くじで7億円どころか1億円以上当ててしまうと、あまりろくなことにならない」と公言するマネーの専門家がいる。一体どういうことなのか。話を聞いてきた。 (聞き手は鈴木信行) 瀧 俊雄(たき・としお)氏 1981年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル
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