編み物が新しいコミュニティを作り出した (2)「編み物をしていると、コミュニケーションを取る際の話題ができ、仲間ができる」という力について。 さきほどの「問題と共生するための力」は、個人的・内的なものだと言えるだろう。 しかし、南相馬で語られた「編み物の力」はそのような小さなスケールにとどまらない。 なぜなら、編み物をすることで新しいコミュニティを作り出したのだから。 それは、自分のまわりに新しい人間関係を作り出す「場」を生成したのだ、とも言えるだろう。 この点をみれば、編み物は非常に社会的・外的な行為であると考えられる。 それはいわゆる「サードプレイス」というものに似ている。 サードプレイスとは、社会学者レイ・オルデンバーグによって提言された「自宅や職場とは違う、心地の良い第3の居場所」のことだ。 近代化の波によってなくなりつつあった、街なかの小さなコミュニティを再評価する概念で、たとえ